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レバノンの通信機爆発はどう仕組まれたのか 現代の「トロイの木馬」はゲームチェンジャーだ

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  • 高橋 浩祐 米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
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ロイター通信によると、モサドがヒズボラの発注した5000台のポケベルに少量の爆発物を仕掛けるという高度な作戦を遂行。その一方、イスラエル軍の情報部隊である8200部隊が立案段階で関わり、準備に1年余りを費やしたという。同部隊が関わったのは爆発物をどのように機器に仕込むかを技術的に試験する段階だったとされる。

個人所有の通信機器に爆発物を仕掛けて殺害するという手法自体は新しくない。イスラエルは1996年、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの爆弾製造責任者ヤヒヤ・アヤシュ氏の携帯電話に爆発物を仕掛けて殺害した。

同氏がガザで電話に出ると爆発した。また、2000年にもパレスチナ自治政府主流派ファタハの活動家に対してこの戦術を使い、爆殺した。

通信機器にハマスは懸念していた

また、ポケベルや無線機にプラスチック爆弾を埋め込むという手口は、靴爆弾犯として知られるイギリス人のリチャード・リード受刑者が2001年に旅客機内でプラスチック爆弾を爆発させようとした時以来、テロのリスクとなってきた。

ハマスはヒズボラよりも、通信機器の安全性に懸念を抱いてきた。ハマスの最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏は、2023年10月にイスラエル攻撃を開始して以来、ローテクな手段で生き延びてきた。アメリカのウォールストリートジャーナル紙は次のように指摘する。

「シンワルは、イスラエルが追跡でき、他の戦闘員の死につながった電話、テキスト メッセージ、その他の電子通信をほとんど避けてきた。その代わりに、彼は地下トンネルに隠れながらもハマスの活動を指揮できる、密使、暗号、手書きのメモの複雑なシステムを使用している」

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