アメリカ・イスラエルとイランの戦争は、双方が2週間の停戦を合意したことでしばらくは落ち着くかとみられたが、そう簡単ではなさそうだ。
仲介役のパキスタンは「イランとアメリカ、そして両国の同盟国が、レバノンを含むあらゆる場所で即時停戦に合意する」と主張しているが、アメリカとイスラエルは、「レバノンは含まれていない」と主張し、イスラエルはレバノン南部を拠点とするイスラム教の武装組織ヒズボラへの攻撃を続けている。その結果、本格的な停戦協議の先行きは不透明になっている。
ヒズボラの報復攻撃を機に、イスラエルがレバノン占領
ヒズボラはレバノンに住む急進的なイスラム教シーア派教徒らが1980年代に作った組織で、近年はイスラエルに隣接するレバノン南部地域を支配し、レバノン政府も手を出せない「国家の中の国家」といわれていた。その軍事力はイランの支援もあって中規模国家の軍隊並みだ。
2月28日、アメリカ軍とイスラエル軍がイランを攻撃すると、ヒズボラは直ちにイスラエルに対する「報復」攻撃を宣言し、イスラエル北部にロケット弾やドローン攻撃を開始した。
イスラエルにとってヒズボラは大きな脅威である。ガザ紛争でもハマス支援を理由に、イスラエルを攻撃してきた。今回もイランに対する側面支援を目的に攻撃してきたのである。
しかし、ヒズボラの攻撃はイスラエルにとってレバノン侵攻の口実となった。イスラエルはヒズボラの拠点であるレバノン南部に6個師団を送り込み、あっという間にレバノンの国土の10%を支配してしまった。
一連の攻撃でレバノンでは1500人以上の住民が死亡した。この数はアメリカとイスラエルの攻撃によるイランの死者約1600人に匹敵する数である。さらにレバノンではイスラエル軍が侵攻した地域から住民がほとんど消えてしまい、100万人余りの住民が避難を余儀なくされている。
まさに第2のガザ状態である。




















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