イタリア主要紙『コリエレ・デラ・セラ』は、イタリア国防省が2026年3月27日、対イラン作戦で中東に向かう複数の米軍爆撃機の自国基地への着陸を拒否したと報じた。アメリカ側の計画では、イタリア空軍と米海軍が共同で使用するシゴネラ基地(シチリア島)に着陸する予定だったが、イタリア側は事前通知がなかったことを理由に許可しなかった。
北大西洋条約機構(NATO)加盟国の8割は、同盟国アメリカが2月28日にイスラエルと共同で開始したイラン攻撃を支持していない。そのため、有事に適用されるNATO軍地位協定ではなく、平時に適応される各国の補足協定が優先されている。
アメリカは世界中の同盟国・協力国に基地をおき、同盟条約と地位協定を締結して使用している。よく「日米地位協定はNATO軍地位協定に比べて不平等」といわれるが、具体的にどのような違いがあるのか、あまりきちんと理解されていない。本稿では、NATO加盟国と日本における駐留米軍のあり方の差を解説し、日本がアメリカの「弱い」同盟国である現実を考える。
アメリカより同盟国の意思が優先される「補足協定」
NATOに加盟する32カ国のうち、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃を支持する公式声明を出した国はわずか6カ国。カナダ、チェコ、アルバニア、北マケドニア、リトアニア、ラトビアにとどまる。デンマーク、フィンランド、ルクセンブルクなどはイラン政権に対する批判を表明するも、アメリカとイスラエルのイラン攻撃には中立の立場だ。他方、スペインやイタリアをはじめ多くの加盟国は、イランへの攻撃を批判している。
マルク・ルッテNATO事務総長はイラン攻撃を称賛し、ドイツのARDテレビに対して「アメリカがイスラエルと協力して行っていることは極めて重要だ。なぜなら、これによりイランが核や弾道ミサイルを開発する能力が弱まるからだ」と述べた。
他方でルッテ氏は、「NATOがこの事態に巻き込まれたり、その一翼を担ったりする計画は一切ない。アメリカとイスラエルの行動に対し、個々の同盟国が可能な範囲の支援をするだけだ」と説明した。
NATOとしてはイラン攻撃に関与しないという方針こそ、有事のNATO軍地位協定が適用されないという点で、アメリカの軍事行動の足かせになっている。個々の同盟国がNATOもしくはアメリカと締結する平時の補足協定は、他国の軍隊が駐留国の決定に従うことを定めているためだ。




















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