「7時に起きて用意して、30分かけて通学し、8時半〜9時の間には登校しました。20時から21時まで授業を受けたり、自習をして、22時までには帰宅しました。そこから復習をして、深夜12時には就寝していました。勉強はトータルで15時間くらいやっていたと思います」
前年の失敗を生かしながら、この年は「ちゃんと基礎から理解しよう」と意識し、あとはひたすら問題をこなした久保さん。
その甲斐あって、河合塾の全統模試では神戸大学でB判定を取ることができました。それでも「成績は伸びたけれども、余裕で受かるレベルにはいけなかった」ことで、不安がよぎったそうです。
この年のセンター試験は前年より100点ほど上がったものの、2次での挽回に望みをかけて、この年も神戸大学理学部に出願しました。
2度目の挑戦も不合格に終わる
「センター試験の結果は2次試験で逆転できると思っていました。試験が終わったときの感触としては、(合格か不合格か)どっちかわからんな……くらいで、自信はなかったのですが、まぁ大丈夫だろうと思っていました」
しかし、残酷にも、この年も久保さんは神戸大学からの不合格通知を受け取ります。それも合格最低点からわずか3.6点差の悔しい結果でした。
幸い、滑り止めで関西大学と、センター試験利用入試で出願した関西外国語大学には合格していたので、関西大学の環境都市工学部に進学することに決めます。
しかし、浪人をしたのに神戸大学に受からなかったことは、久保さんにとっては「人生の中でも最も大きな挫折」だったそうです。
「関西大学は世間的にはすばらしい大学です。でも、僕が通っていた明石北高校のクラスにはあまり浪人する人がいませんでした。だから、SNSから消えて、成人式にも顔を出せませんでした。学歴コンプレックスもすごかったのです」
そんな中で、いろいろと制度を調べるうちに「編入」という制度に気づいた久保さんは、より学びたい勉強・研究をするには岡山大学が適切であったこと、私立大学理系学部の学費が高いこと、学歴コンプレックスを払拭したいなどの思いがあり、岡山大学の理学部地球科学科の3年次編入試験を受けて見事合格しました。
思い悩んでいた関西大学での出会いも、現在につながっています。関西大学2年生のとき、サークルで知り合った先輩の中井達也さん(後のABABA共同代表)と仲良くなって、在学中に一緒に起業。岡山大学に編入してからも、中井さんとさまざまなサービスを一緒に作りました。
2社起業してクローズした後に、大学4年生になった久保さんは3度目の起業で、最終面接までの「頑張り」を評価した企業から特別選考フローでスカウトが届くサービス「ABABA」を生み出しました。
このサービスの名前と提供のきっかけは、企業の選考で落ちて「あばばばば」と落ち込んでいる友達をなんとかしたいと思ったことだったそうです。
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