第1志望「神戸大」に"2度不合格"彼の驚くその後 SNSから消えて、成人式も出ることができず

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「浪人でうまくいかなかったという思いがあって、どこかで一発逆転したいなという思いが心の底にずっとありました。その1つが編入だったのですが、それ以外にも自分でもシンプルに嬉しいし、使いたいと思える、役立つサービスを作ろうと思ったのがきっかけです。

『ABABA』は、就職活動をしていた親友が企業の最終面接で落ちて、落ち込んでうつ状態になったことがきっかけでできました。

受験者が多い企業だと7次選考までありますが、そういう人たちの存在は受験で合格最低点から0.1点差で落ちる人と同じように可視化されないし、評価もされないんですよね。だから、不採用で落ちてもそれまでの頑張りを評価する仕組みを作ろうと思いました」

岡山大学卒業後は研究者になりたいと思っていた久保さんは、大気環境や気象についての研究をしたいと考え、神戸大学大学院海事科学研究科の海洋・気象研究室に進みます。

しかし、仕事との両立がきつかったことと、神戸大学の研究室の先生から「研究は60歳からでもできる」と背中を押してもらい、起業に専念するため半年で退学しました。

その後、卒業した岡山大学の学長・副学長・理事といった大学幹部から、「地方大学で学生起業をした数少ない事例を、体系的に学んで論文や書籍にしませんか」という勧めもあり、起業と学問を紐付けて学ぶ岡山大学大学院の社会文化科学研究科に入り、現在は博士前期課程の2年生として勉学に励みながら、4年前に創業した株式会社ABABAの代表取締役として、世の中に役立つサービスを提供し続けています。

そして2024年8月には、世界を変える30歳未満の日本人30人を選出する「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」の1人に選出されました。

浪人したから起業のつらさも乗り越えられる

そんな久保さんに浪人してよかったことを聞くと「浪人のつらさを下回ることは、のちの人生ではないと思えること」、浪人して変わったことに関しては、「精神面が強化されたこと」と力強く答えてくれました。

「浪人の1年は、今後の人生において、間違いなくプラスになったと思います。起業してからもきついことはたくさんありますが、それでも浪人時代を経験したおかげで、あのときに比べれば楽だろうと、精神力を鍛えることができました。起業してからのハードシングス(困難)は、全部余裕に感じられています」

濱井正吾 浪人 神戸大学 ABABA
久保さんが大学3年生のときに行ったカンボジアの写真(写真:久保さん提供)
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