ほっかほっか亭「コラボ依頼して賛否」への違和感 日清食品「10分どん兵衛」の成功例に倣えるか

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さらに、その直後、ケロッグ社はミルクボーイに同社のコーンフロスティ 1年分をプレゼントしたり、ミルクボーイをケロッグ公式応援サポーターにしたりと相次いでコラボレーションを発表して、話題を増幅させた。

インフルエンサーとコラボして商品開発をする事例も多数ある。食品で言えば、YouTuberのヒカキンさんがセブン-イレブン限定で発売した味噌ラーメン「みそきん」が大好評で売り切れが続出したことは記憶に新しい。

今回の「ほっかほっか亭」の対応は評価したい

このように、先行する成功事例はいくつもあるのだが、“インフルエンサーの批判的な意見に対して、商品リニューアルへの協力を公開で呼びかける”という試みは珍しいように思う。

ほっかほっか亭側は、事前に裏側でリュウジさんに打診をして、内諾を得たうえで、依頼文書をX上に投稿している可能性もあるのではないか――と邪推をしたりもしてしまうのだが、たとえそうであったとしても、プロレス的な演出として許容範囲であると思う。

不確実で変化の速い時代には、トレンドに素早く乗っていく必要があるが、多少の失敗を恐れていては、タイミングを逃してしまう恐れがある。

「試行錯誤」「トライアル・アンド・エラー」という言葉があるが、失敗なしに成功は得られない。再起不能になるような大きな失敗は避けなければならないが、小さな失敗を繰り返しながら、継続的に改善を加えていくのが、大きな失敗の回避と大きな成功につながる。

それを実行しているという点で、筆者としては、今回のほっかほっか亭の対応を前向きに評価している。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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