日本の核武装が「どう考えても無理」な具体的根拠 核兵器の開発は「気合でできる」ものではない
この問題は、日本とアメリカだけで話題になっているものではありません。
たとえば、エマニュエル・トッドは『第3次世界大戦はもう始まっている』で、「中国や北朝鮮にアメリカ本土を攻撃できる能力があれば、アメリカが自国の核を使って日本を守ることは絶対にあり得ません。自国で核を保有するのか、しないのか。それ以外に選択肢はない」と述べています。
トッドのこの発言を肯定するにしろ否定するにしろ、今や日本が安全保障という側面で岐路に立たされていることはたしかです。
核武装はやるなら「極秘」に進めなければならない
アメリカが認めないにもかかわらず、日本が独自に核兵器の開発を行うということはまず考えにくいでしょうが、アメリカの許可を得て核兵器を開発することは可能ではないかという意見は存在しています。しかし、私はその可能性はないと考えています。
アメリカが絶対に核を日本に持たせたくないからです。日本はかつてアメリカと戦争をした国ですから、持たせるはずがないのです。何十年経とうと、アングロ・サクソンという民族は、戦争で敵対した記憶を絶対に忘れないのです。
核武装実現の最大の障害は原発です。アメリカが日本に原発を持たせるということには、2つの意味があります。1つは原子力エネルギーによって日本を、アメリカのウランに依存させるということ。2つ目は核武装させないということです。
これに加えて、日本には核武装を困難にする現実的な問題があります。それは、この国の人々は秘密を守れないという点です。
いったん核武装を行うと決めると、世界中から圧力がかけられます。たとえば、他国で日本製品のボイコットが必ず起きます。そして反日感情が高まり、あからさまな反日運動も多発するでしょう。
だから、核兵器はある日突然でき上がっていないといけないものなのです。核兵器開発は、もしやるなら極秘にやらなければいけません。ですから、どこの国も極秘裏にやっています。
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