テイラー・スウィフト「ハリス支持」大騒ぎのなぜ 有名人の選挙における影響力は小さいはずだが
有名人の支持表明を扱った研究は数多く存在するが、それらの研究は有名人の支持表明が実際に選挙に影響を与えているという証拠を必ずしも示しているわけではない。
そして、仮に(現在も求められ、歓迎されている)有名人による支持表明が選挙結果を動かす重要なものであったとしても、実際の効果を測定するのは至難だ。それでも、研究者は測定を試みてきた。
オバマ予備選挙勝利を後押ししたオプラ
超人気テレビ司会者のオプラ・ウィンフリーが2008年の民主党予備選挙でバラク・オバマ支持を表明した後、研究者らは(人種、年齢、学歴といった人口属性の影響をコントロールした上で)ウィンフリーが手掛ける女性総合誌『オプラ・マガジン』の購読者が多い地域や、「オプラのブッククラブ」が推薦した書籍がとくによく売れている地域で、オバマが予想以上の好成績を収めたことを確かめ、オバマが予備選挙で獲得した3000万票以上のうちの100万票はウィンフリーの支持表明によって上乗せされたものだと結論づけた。
もっとも、この例からわかることには限界がある。オハイオ州にあるマイアミ大学とカリフォルニア州立大学ロングビーチ校の研究者らは、そこまで大きな違いのない候補者の中から選ばなければならないような予備選挙では、有名人による支持表明が意味を持つ可能性が高いことを突き止めた。
有権者がいずれかの候補者に対して強い意見を持っていないこのような状況では、信用されている有名人の意見が重要な役割を果たすことがある。