「文章読むのが何だか遅い」劇的に速く読めるコツ 国語の入試問題は、年々長くなる傾向にある
ここで大事なのは、「メロスという男がいる。正義感がある人物だ。村から市にやって来てなんらかの理由で王様に対して怒っている」というくらいの大雑把な情報です。
村の名前や、どこにあるのか、などは文章の本筋とは関係がない具体的な情報なので、忘れてもいいのです。
人間は「山田太郎くん」の顔を覚えているのではなく、「男性で、20代で、眼鏡をかけている、日本人」という大きなイメージを頭に入れたうえで、「鼻が高い」「色黒」といった個別の特徴と連携させることで、事柄を記憶していると言われています。
同じように、文章を読むのが得意な人は、中身ではなく、大枠から理解しています。中身を細かく読むのではなく、展開や論理の流れを把握することで、「だいたい何が書いてあるのかわかる」ようになるのです。
読まなくていい部分が明確に存在する
このことを応用すると、10秒ほどで次の文章のだいたいの内容を把握することができます。
なぜこの文章を速く読めるのかというと、読まなくていい部分が明確に存在するからです。
どこだかわかりますか?「」の中です。
ある夜、師匠は弟子に、「1」と言って怒った。それに対して弟子の男は、「2」と言って泣いたのであった。
これであれば、10秒で読めますよね。そのうえで、「1」の内容と「2」の内容は、すぐ後ろを見れば推測できます。「1」と言って怒った、ということは「1」には師匠が弟子を怒っている内容が書いてあるはずです。
詳しい中身のことはわかりませんし、弟子のどんな部分を叱責したのかもわかりません。それでも、「なにかに対して怒っているんだな」というのは理解できます。
「2」も同様です。「2」と言って泣いた、ということは「2」は弟子が師匠の怒りを受けて泣いたということがわかります。きっと怒られたことに対して、何かを返答しているのだとわかります。
このように、「」の中はしっかり読む必要がなく、その前後の文脈を見るだけで、だいたい何を言っているのかわかるのです。これは小説だけでなく、古文や漢文でも同じことが言えます。
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