子どものことばを育てるのに本当に必要なこと 「ことばのシャワーを浴びせる」のが正解ではない

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脱いだ服を脱衣かごに入れようとする、ごみをごみ箱に入れようとする、といった行動も大事なポイントです。電話のおもちゃを持ったときに口の中に入れようとする子どももいれば、耳に当てようとする子どももいるでしょう。当然後者は「電話を知っている」となるわけです。

生後7カ月を超えて椅子に座ることができるようになると両手が自由になり、自分で操作できるものも増えていきます。実際にこの「わかる」「使える」「知っている」がことばの基盤になります。

家庭でことばを育てるうえで大事なポイントの1つは「(イメージできない)ことばのシャワーを浴びせる」ことではなく、子どもが「面白い!」と思って注目し、そのうえで操作して「知っている」「使える」と実感できるものを増やすことにあります。

「イベント」へのアプローチもよく観察

また、子どもが「イベント」に対してどのようにアプローチしているかも、理解を見極めるポイントです。ルーチンのイベントとイレギュラーなイベントに分けて考えてみましょう。まず、ルーチンのイベントにはご飯を食べる、お風呂に入る、保育園に行く(微妙ですが)、といったものが該当します。

ここでは「ご飯を食べる」を例として取り上げてみましょう。「ご飯食べるよ」のこちらからの声かけで行動の見通しが持てる子どももいれば、「ご飯食べるよ」という声かけの前に「この状況だとそろそろご飯だろう」と予測をして待つことができる子どももいれば、「ご飯食べるよ」と声がかかって、目の前でご飯の準備ができている様子を見てそこで「あ、いまからご飯を食べるんだ」と気づく子どももいます。

この子どもの反応を観察すれば、どの段階で行動の予測ができているか、あたりをつけることができますね。イベントに対するアプローチから「状況やその変化に関する理解」を見ているわけです。

次に、イレギュラーなイベントについて。例えば「車に乗って外にお買い物に行くよ」という状況に、どの段階で対応ができるか、も理解力を反映します。

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