2050年までに「橋の4分の1が崩落」という大衝撃 米国で熱波と豪雨による想定外の老朽化リスク

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数十年前に設計・建設された橋は、急激な温度変化に耐えることを想定した材料で建設されていない。そのため、今では急速に繰り返す膨張と収縮で弱体化が進んでいる。

「コンクリートや鉄鋼を支える部分が非常に高温になり、まるで子どもが組み立てるおもちゃのように文字どおり橋がバラバラになって崩落するおそれがある」とチノウスキーは言う。

気温が観測史上最高を記録した今年、高速道路から滑走路まで、国中のインフラの多くに打撃が及んでいる。だが、橋梁は特有のリスクに直面している。

「橋の場合、何十年も前に計画・設計・建設されたインフラに対処することになる」と、運輸長官ピート・ブティジェッジはインタビューで語った。「橋というのは造り替えたり修復したりするのにとくに時間がかかるインフラのひとつだ。それなのに、私たちは国中のいたるところでその脆弱性を目の当たりにしている」

2050年までに橋の4分の1が崩壊

学術誌『PLOS ONE』に掲載された研究によると、気候変動による異常な気温のせいで、2050年までにアメリカの鋼鉄製橋梁の4分の1が崩壊する可能性がある。研究者たちによると、2040年までに、猛暑による不具合によって広い範囲で橋の補修や閉鎖が必要になるおそれのあることがわかっている。

別の研究では、かつてない水準の酷暑にさらされることで、国内の橋の舗装に歪みやねじれが生じていることが判明した。気候変動がもたらす大雨で「橋梁洗掘」と呼ばれる現象も増えている。橋の基礎周辺に堆積した土砂が侵食される現象で、アメリカにおける橋の破損の主な原因になっているものだ。

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