最年少→最高齢に交代、仏首相「想定外」人事の背景 73歳のタフネゴシエーター、バルニエ氏の素顔
39歳で大統領になったマクロン氏、34歳で首相になったアタル氏によって、一気に世代交代が進んだ感があったフランスだが、今回はベテラン最高齢の首相を起用し、混乱を乗り切ろうとしている。ただ、問題の本質は移民やインフレよりも、国民の間に強まった政治不信にある。
エリート政治家が机上で決めた政策は、問題解決で成果を出せていない。政治家の言うことをまともに受け止めることはなくなり、極端でわかりやすいポピュリスト政治家のいうことがインパクトを持つようになった。ネガティブ情報は、瞬時にSNSで拡散される。バルニエ政権は、政府機関に対する不信を払拭できるかが問われている。
今後、各政党は2027年の次期大統領選挙に向けた動きを加速させる。タフネゴシエーターとして知られるバルニエ氏が、マクロン氏の決断が招いた混乱を抜け出し、どこまで粘り強く政党間の対立を抑えて国を安定させ、直面する課題に挑戦できるか。決して楽観視はできないが、少なくとも現時点ではマクロン氏にとって追い風のように見える。
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