BYDは数年前から高級車市場へのチャレンジを本格化し、「騰勢(デンツァ)」「仰望(ヤンワン)」、方程豹などのサブブランドから新型車を続々と投入してきた。
騰勢はもともと、BYDがドイツのメルセデス・ベンツと折半出資で2010年に設立した合弁会社だ。だが、その経営は(販売不振のために)赤字続きで、メルセデス・ベンツは2021年12月に保有株の8割をBYDに譲渡。現在はBYDが全株式の9割を保有している。
仰望は、価格が100万元(約2024万円)を超えるラグジュアリーカーに特化したブランドとして2023年に設立された。第1号モデルの大型SUV「U8」は大きな注目を集め、月間販売台数が1000台を超えたこともあったが、2024年6月と7月はいずれも500台を割り込んだ。
自動運転技術は「2本立て」
「かつてのBYDは、自動運転技術をあまり重視していなかった。20万元(約405万円)以下の大衆車が主力で、自動運転技術を搭載しても(価格が高くなるため)消費者への訴求力が高まるとは限らないからだ。しかし高級車となると、話はまったく違ってくる」
ある自動車メーカーの関係者はそう語り、BYDの高級車の苦戦は自動運転技術の開発で後れを取ったことが背景にあるとの見方を示した。
今回のファーウェイとの提携は、BYDが高級車市場での伸び悩みを打開するきっかけになるかもしれない。とはいえ同社は、自動運転技術をファーウェイに全面依存するつもりはない。
提携の発表と同時に、BYDは今後の自動運転技術の開発について「社外とのオープンな協業と独自開発の2本立てで進める」と強調した。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は8月27日
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