「外に出たくもない」欧州の観光公害はもう限界 オーバーツーリズムに地元民ブチ切れ

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ギリシャのアテネでは、7月にオーバーツーリズムに対する抗議運動も勃発した(写真:Ioana Epure/Bloomberg)

観光開発に反対してハンガーストライキを行うデモ参加者。違法な観光客向け賃貸宿泊施設に対し水の供給を止めると脅しをかける地元当局。観光客に水鉄砲で水を浴びせる地元住民——。

夏の終わりが近づく中、スペインのバルセロナ、ギリシャのアテネやサントリーニ島といったヨーロッパの人気観光地は限界に達し、観光客に大きな反感が向けられている。

「私たちは観光客に侵略されている」

ヨーロッパ観光委員会によると、この夏の観光客数に関する最終的な数字はまだ出ていないものの、2019年のレベルを上回ることが予想されている。第2四半期だけで、外国からの訪問者数は2019年の実績を6%上回った。

気候変動は人気の観光地にとっても大きな負担となっている。アメリカ海洋大気庁によれば、世界の平均気温は7月までの14カ月間にわたり連続で過去最高を更新。スペインとギリシャはセ氏45.5度を超える記録的猛暑日を経験した。

ヨーロッパの観光地の多くにとって観光は経済の重要なエンジンだが、住民からは観光収入のもっと大きな部分を地域社会やインフラへの投資に振り向けるべきだという声が上がるようになっている。

「私たちは観光客に侵略されている。もはや手に負えない状況だ」。5万人を超えた7月の抗議デモに参加したスペイン・マヨルカ島パルマ在住のカミラ・グスマン(32)は、物価が上がりすぎて「もうここでは生きていけない」と話した。

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