「外に出たくもない」欧州の観光公害はもう限界 オーバーツーリズムに地元民ブチ切れ

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ギリシャの新聞『カシメリーニ』が報じたところによると、この投稿は後に削除され、島の市長が2025年から1日1万7000人とする予定だった乗客の上限を1日8000人に戻すと発表することになった。

ギリシャの別の場所では、BBCテレビのジャーナリスト、マイケル・モズリーを含む少なくとも6人の外国人観光客が熱中症で死亡したとみられている。乾燥と観光開発が負担となったこともあって水不足が全国的に発生し、シフノス島やクレタ島などの島で非常事態宣言が出された。

スペインに広がる「反インバウンド」闘争

スペイン観光省によると、今年前半の6カ月間にスペインを訪れた観光客の数は13.3%増加し、4250万人を突破した。

多くの都市で対策が講じられている。例えばセビリアでは、裁判所の判決により市長室が違法な観光客向け賃貸宿泊施設を調査し水の供給を止めることが認められ、観光客向け賃貸宿泊施設の取り締まりが進められている。

バルセロナでは、「観光規模縮小のための地域住民会議」という組織が、クルーズ船の受け入れ数の制限や短期賃貸の規制など、市の観光モデルの全面的見直しを要求。市政府は、2028年末までにこの種の賃貸を撲滅すると述べ、さらに10月から観光税を引き上げると発表した。

多くの場所で、住民の抗議行動が起こり、政府に対応を促すための署名集めが行われている。

抗議デモに参加したテネリフェ島在住のハビエル・トロ(23)は、「住民たちが家を買えず一時しのぎの小屋に住んでいるというのに、巨大観光プロジェクトには何百万ユーロという金が投資されている」と語った。

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