伊藤忠の文書流出「平社員でも年収2000万」の真偽 給与制度改定の文書に「雇われたい」とSNS沸騰
当然のことながら情報が流出していない「普通の業績だった人」や「業績が悪かったヒラ社員」がどうなるかというと、メリハリのある制度だと言っている以上、表に書かれていた数字よりは当然少なくなるわけです。とはいえそれでも年収1000万円台の高所得であることは間違いないでしょうけれども。
いずれにしてもヒラ社員で年収2000万円というのはあくまで優秀で評価が高い人ということです。
ポイント2:意外と年功序列で平等な面も
ではそのメリハリはどの程度なのでしょうか。実は総合商社は意外と年功序列で、同期の間の格差はそれほど大きくはしない伝統があります。
文書によれば成績優秀な部長の年収が4110万円とされているので、「うちの部長と比べたら年収が5倍以上も違う」と思った読者の方もいらっしゃったかもしれません。しかし読者の会社の部長がおそらく40代、場合によっては30代だったりするのとは違って、総合商社の部長は意外とお年寄りです。
伊藤忠商事ではありませんが、トップ3の総合商社の社内報に『社長から次長へ』というエッセイが寄稿されて話題になったことがあります。取引先である上場企業を再建する必要があって、優秀な商社マンが社長として送り込まれます。その人が社長として見事会社を立て直して商社に戻ったら、用意されていたポジションが次長だったという笑い話です。40代の働き盛りの人材は、商社ではまだまだ出世街道の真ん中へんなのです。
よく似た別の話を紹介します。私がいたコンサルファームで、その当時、三菱商事からローソンに出向して成功していた新浪剛史社長(当時)が商社に戻るかどうかを議論したことがあります。商社出身のコンサルは口をそろえて「戻るわけがない」と断言していました。
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