多発する「男性差別の炎上」で露呈した怒りの正体 牛角、しまむら、フリーアナ…なぜ炎上が続いたのか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

では、なぜ今夏、「男性差別」の話題が連鎖しているのか。

これまでも何度か「男性差別だ」という声があがるケースはあったものの、今回のような連鎖はありませんでした。しかし今夏は、しまむらに続いて「体臭」というセンシティブな話題で男性が対象にあげられたため、「これまでたまりにたまっていた不満が爆発した」というムードがただよっています。

一方で、トラウデンさんと牛角の件はその余波に過ぎず、実際のところ「男性差別だ」という批判より擁護のほうが多く、「怒りの流れにのまれた」という感は否めません。

つまり、長年積み重なってきた不満が、1つのきっかけによって噴出し、「男性差別だ」とまでは言えず「男性差別かもしれない」というレベルの出来事も問題視されているのでしょう。

まだまだこの連鎖は続きそう

本来、しまむらは「夫婦関係」、フリーアナは「臭いのエチケット」、トラウデンさんは「女性の政治参画」、牛角は「飲食店の割引サービス」が話題の中心になってもいいところ。

しかし、「男性差別」がメインの話題になったのは、「これまで我慢してきた」という不満があり、「それを爆発させる機会をうかがっていた」という男性がいるからではないでしょうか。

そんな不満を抱えていた男性にとって、体臭に関するコメントはこれまでの怒りや悔しさをぶちまける格好の機会。「ほぼ無名で一般人に近いフリーアナにそこまで言うのか」と感じるほど彼女が叩かれたのは、このような長年蓄積された不満が加わったからでしょう。

もともと男性は幼いころから「男の子でしょ」などと言われてさまざまなことを求められ、大人になっても「男だから」などと言われて責任を負うケースが少なくありません。また、時代が平成、令和と変わる中、何か発言したら「女性差別だ」「男尊女卑」などと非難される機会が増えていました。

そんな長い経緯があってのことだけに、まだまだこの連鎖は続きそうなムードがあります。さらに怖いのは、「男性差別だ」と声をあげる状況がこれ以上続くと、過去の言動なども掘り起こされかねないこと。

次ページ「過去の発言」もチェックしなくてはならない
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事