異次元バブル相場の可能性は一段と高まった 「8月世界同時株安」の次はどうなるのか
企業業績においても、4-6月期は市場予想をそれなりに上回る増益だったが、このトレンドは、7-9月期も継続していると推定される。締めの9月に入ると、そこからは続々と増額修正が出て来るはずだ。
上記のような展開になった時に、売り方は、もう1度「急降下爆撃」で戦果を挙げるか?ひとまず基地に引き返すか?彼らにとっては、今の1万9000円台前半は実に悩ましい水準だ。
また、今回下げ止まったきっかけは、下値で鯨(GPIF)が久々に動いたためとされる。直後に発表になった第1四半期運用実績では、国内株の組み入れ比率は6月末現在23.4%となっている。
岡三証券のチーフエクイティストラテジスト平川昇二氏の試算によると、8月26日現在でこの比率は約22%に低下したという。
再度の上昇で、「売り方」は「買い」を迫られる可能性
つまり「安くなったら鯨が買ってくれる」ことがはっきりした。いわゆる「鯨たち」(GPIF、共済年金、日銀等)の、年度後半の買い入れ金額の推定値は13兆円(平川氏)で、ざっくり言えば、これで「1万8500円から下は、なくなった」と筆者は考えている。この状況を見て、1万9000円で制空権を握る売り方がどう出るか。私には、「先の勝負」は見えてきた感じがしている。
今回の波乱で、日経平均は、外国人投資家なども重要視しているとされる200日移動平均を一時割り込んだが、5日目で回復した。移動平均が下向きにならないうちに回復したということは、その移動平均の傾向が変わらないと言うことである。これは今回の波乱が、長期上昇相場における、ひとつの調整相場ということを意味する。
中国当局者の肩を持つわけではないが、今回の波乱は中国だけのせいだけではない。流動性に基づく世界の相場に、アメリカの利上げが大きく影響していることも間違いない。
しかし、今回の波乱が、中国やアメリカの流動性政策に影響を与えたとしたら、筆者の唱える異次元バブルの大相場の根茎がさらに太くなったと言えるのではないか。
最後に今週(9月4日まで)の日経平均予想レンジは、1万8800円~1万9800円としたい。
テクニカル面での重要なポイントは、200日移動平均線の1万9070円前後、あるいは、8月21~24日で開けたマド(価格が飛んでいるところ)を埋め切る1万9435円あたりになる。さらに次のマドに手がかかる水準(20~21日のマド突入の1万9737円、25日移動平均の週央推定価格1万9800円あたりとなりそうだ。
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