iPhoneの「カメラ」が17年間も進化を続ける背景 初代カメラの画素数はたったの200万画素だった

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近年になってもiPhoneのカメラの進化は止まらない。

まず、iPhone 14 Pro以降では、標準画角のカメラのセンサーが大型化され、4800万画素での撮影が可能となった。

この4800万画素のセンサーをそのまま4800万画素で使うのはApple ProRAW撮影のときだけで、通常撮影時には4倍ある撮像素子を感度や解像感を高めるために使う『ピクセルビニング』という処理に使ってる。このため、標準カメラで撮った画像は、iPhone 6sと変わらぬ1200万画素だが、写りは比較にならないほど美しくなった。

iPhone 14 Proで撮影。4800万画素のセンサーをピクセルピニングで使う『×1』の標準画角で撮ると、このように仕上がる(筆者撮影)

iPhone 11 Pro、12 Proでは3眼の設定が0.5倍、等倍、2倍だったのが、iPhone 13 Proでは0.5倍、等倍、3倍となり、さらにiPhone 14 Proでは、大型化されたメインセンサーの中央をクロップして2倍として使うことにより、3眼カメラで、0.5倍、等倍、2倍、3倍と4種類の画角を実現している。iPhone 15 Pro Maxでは、望遠側のレンズを5倍として、0.5倍、等倍、2倍、5倍としている。

進化しても“自然な写り”を残している

iPhone 15 Pro Maxの望遠レンズ5倍(120mm相当)で撮影したブルーインパルス。26~28mm固定の画角で、こんな写真が撮れるように(筆者撮影)
iPhone 15 Proの標準画角。元データではビルの部屋にいる人の様子まで伺える。夕陽のオレンジも、デジタルサイネージの色も余さず表現(筆者撮影)

ここ数年のiPhoneの写真性能の向上にはNeural Engineによる調整が大きく影響している。“物理的に写るもの”より“人が見たいと思ってるもの”を写すようになりつつも、Androidとは違うiPhoneらしい“自然な写り”を残している。完全にナチュラルな画像が必要な人は、Apple ProRAWで撮影すればいい。

日本時間9月10日午前2時からのスペシャルイベントでiPhone 16シリーズが発表される見込みだ。2007年の初代発売から17年間たゆまず進化してきたiPhoneのカメラが、強力なAIを伴いどのような進化を見せるのか。

村上 タクタ 編集者・ライター

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むらかみ たくた / Takuta Murakami

iPhone、iPadなどアップル製品を中心に扱うガジェット・テクノロジー系編集者・ライター。カリフォルニアでのWWDCやiPhone発表会には2016年頃から継参加。趣味の雑誌の編集者として、’92年から約30年で約600冊の雑誌を作ってきた。バイク雑誌『ライダースクラブ』に携わり、ラジコン飛行機雑誌『RCエアワールド』、海水魚とサンゴ飼育の雑誌『コーラルフィッシュ』、デジタルガジェットのメディア『flick!』『ThunderVolt』の編集長を務める。HHKBエバンジェリスト、ScanSnapアンバサダー。バイク、クルマ、旅、キャンプ、絵画、庭での野菜作り、日本酒、ワインと家族を愛する2児の父。娘はロンドン、息子は台湾在住。

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