表舞台から消えたメグ・ライアンが今していること 女優としては見かけないが映画界には残っている
翌年、ライアンは、ヒュー・ジャックマンと共演する『ニューヨークの恋人』(2001)で得意分野に復帰した。しかし、世界興収は7600万ドルにとどまり、2億ドル超えもあったライアンの過去のロマンチックコメディ映画の成績には遠かった。
ちょうど40歳を迎えたところでもあったライアンは、そこから大きな方向転換を試みる。尊敬される女流監督ジェーン・カンピオンの『イン・ザ・カット』(2003)では、大胆なセックスシーンにも挑戦。2004年の『ファイティングガール』ではボクシングのマネージャーを演じ、これまたイメージ脱却と演技力の証明に賭けた。
しかし、そのどちらもまるでぱっとせず。『イン・ザ・カット』はソニー傘下のスクリーン・ジェムズ、『ファイティングガール』はパラマウントが製作配給したが、以後、ライアンはメジャースタジオの映画に主演していない。
そんなライアンは、近年、監督業に力を入れている。最初の監督作は、2015年の『涙のメッセンジャー 14歳の約束』。2023年は『What Happens Later』が北米で限定公開された。これらの作品も、それ以外の出演作も日本で劇場公開されておらず、日本の映画ファンが最後にビッグスクリーンでライアンを見たのは『ファイティングガール』で、ぴったり20年前だ。
不倫はキャリアに影響しない
これからも監督の予定はあり、自分の監督作に出演もしてきているライアンには、まだまだ映画業界で働く意欲が見える。なのに、なぜ彼女のキャリアは下り坂になってしまったのか。
クロウとの不倫が理由とは思えない。日本の芸能人の場合、不倫をしたら世間から叩かれ、謝罪会見をして活動自粛、となり、キャリアが打撃を受けるのは当然の流れだろう。
しかし、ハリウッドでは、というか、アメリカでは、そんなことはない。近年は企業のコンプライアンスが厳しいため、社内での関係だったら職を失うこともあるかもしれないが、基本的に大人同士の話、よその家の話に、他人がとやかく言うことはないのだ。
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