タイは荒れた道路も多く、急な車線変更や割り込みも日常茶飯事なので、これくらい引き締められたサスペンションセッティングのほうが安心感につながるのだろう。タイの道路を走ると、クルマの鼻先さえ突っ込めれば車線変更ができる、多少強引ではあるが譲り合いの精神的な交通事情があり、普通の街中ですら、それなりに攻めたドライビングが強いられる。それを考えれば、フラットライドな乗り心地より、キビキビとしたフットワークのほうが求められるのかもしれない。
シティ・ハッチバックの現地価格
最後にシティ・ハッチバックの現地価格は599万タイバーツ、日本円で約253万円(執筆時の為替レートにて計算)となる。また、今回試乗したガソリンエンジン車のRSは749万タイバーツ、日本円で約314万円。日本のフィットRSガソリンエンジン車が215万3800円で、シビックEXが359万0400円なので、値段的にも中間あたり。タイの場合、スポーティなクルマの人気が高く、シティは若者でも手が出せるホンダ・スポーツのエントリーモデルという位置づけなのだろう。
ちなみにタイでは、スポーティなモデルを求めるユーザーが多く、「シビック」や「アコード」、SUVの「CR-V」や「WR-V」「HR-V」など、ほとんどの現地販売モデルでRSグレードが設定されているのも、日本とは違って面白い部分だ。
今のところシティの日本発売予定はないというが、先代モデルはグレイスの名前で日本販売された実績もある。今回、タイでシティ・ハッチバックRSに試乗し、スポーティな走りを楽しめ、利便性が高く、手頃なホットハッチが日本でも復活してほしいと強く感じた。
東京オートサロン2024での展示が話題になり、今年秋頃に追加されるシビックRSのように、日本でもいろいろな車種でRSグレードが展開されれば、“走りのホンダ”というイメージの復権にもつながるのではないだろうか?
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