日本未発売、ホンダ「シティ・ハッチバック」の実力 1980年代に一斉風靡したホットハッチ再来か?

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タイは荒れた道路も多く、急な車線変更や割り込みも日常茶飯事なので、これくらい引き締められたサスペンションセッティングのほうが安心感につながるのだろう。タイの道路を走ると、クルマの鼻先さえ突っ込めれば車線変更ができる、多少強引ではあるが譲り合いの精神的な交通事情があり、普通の街中ですら、それなりに攻めたドライビングが強いられる。それを考えれば、フラットライドな乗り心地より、キビキビとしたフットワークのほうが求められるのかもしれない。

シティ・ハッチバックの現地価格

シティ・ハッチバックの外観
シティ・ハッチバックの外観(写真:三木宏章)

最後にシティ・ハッチバックの現地価格は599万タイバーツ、日本円で約253万円(執筆時の為替レートにて計算)となる。また、今回試乗したガソリンエンジン車のRSは749万タイバーツ、日本円で約314万円。日本のフィットRSガソリンエンジン車が215万3800円で、シビックEXが359万0400円なので、値段的にも中間あたり。タイの場合、スポーティなクルマの人気が高く、シティは若者でも手が出せるホンダ・スポーツのエントリーモデルという位置づけなのだろう。

ちなみにタイでは、スポーティなモデルを求めるユーザーが多く、「シビック」や「アコード」、SUVの「CR-V」や「WR-V」「HR-V」など、ほとんどの現地販売モデルでRSグレードが設定されているのも、日本とは違って面白い部分だ。

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今のところシティの日本発売予定はないというが、先代モデルはグレイスの名前で日本販売された実績もある。今回、タイでシティ・ハッチバックRSに試乗し、スポーティな走りを楽しめ、利便性が高く、手頃なホットハッチが日本でも復活してほしいと強く感じた。

東京オートサロン2024での展示が話題になり、今年秋頃に追加されるシビックRSのように、日本でもいろいろな車種でRSグレードが展開されれば、“走りのホンダ”というイメージの復権にもつながるのではないだろうか?

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三木宏章 東洋経済オンライン編集者・記者

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みき ひろあき / Hiroaki Miki

1984年5月5日生まれ。三重県出身。鳥羽商船高等専門学校・電子機械工学科卒。チューニングカー雑誌の編集者としてキャリアをスタート。その後は、パソコン/スマートフォン/ガジェット等の雑誌編集、ITコンサルティング会社にてWEBコンテンツ企画・製作等を担当。得意分野は自動車を中心にものづくり全般。また、過去に1年半で17ヶ国、バックパッカーとして放浪した経験もあり。

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