好業績に沸く総合商社、巨額投資へ前のめり
「超」がつくほど総合商社が元気だ。5大商社が発表した2011年4~9月の決算は、連結純利益の合計が8856億円(前年同期比21%増)に達し、過去最高だった08年度上期に肉薄。三菱商事の2457億円を筆頭に、三井物産が2273億円、伊藤忠商事、住友商事が1500億円台、丸紅も1000億円の大台を突破した。
国内上場企業の大半を占める3月決算企業のうち、上期連結純益が1000億円以上の企業はわずか17社。規制業種の銀行と通信を除くと8社しかなく、そこに5大商社がすべて名を連ねた。自動車や電機などの製造業が震災の影響や円高で厳しい業績を強いられる中、総合商社の稼ぎっぷりは際立つ。
最大の原動力は資源分野。総合商社は鉄鉱石や石炭、原油など、資源分野で数多くの開発・生産プロジェクトに出資参画。近年の歴史的な資源高で、こうした海外資源案件が巨額の利益を稼ぎ出している。秋口からの金属資源価格下落や円高進行などで下期は勢いが鈍るが、それでも年間純益は5社合計で1・6兆円規模に達し、軒並み過去最高益を更新する見通しだ。
投資のチャンスが拡大
資源が巨額のキャッシュフローを生み、資金力はかつてないほど潤沢。その強みを生かし、各社は投資を積極化。さらなる収益基盤拡充への“仕込み”に余念がない。