広島カープは最高の「地方再生モデル」だった 「カープ女子」という言葉に隠された真実

✎ 1〜 ✎ 84 ✎ 85 ✎ 86 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

つまり、今の若いカープ女子とはこの球場に来ている彼女たちに育てられた、という事実です。家庭内の最大権力者である母親が熱烈なカープファンなわけですから、その子供たちはどう考えても自然に熱烈なカープファンとして育てられます。

家庭内の絶対権力者を取り込む、カープというシステム

男性はもちろんですが、まして女子ともなれば結婚して新たな「母親」となり、さらに熱烈なカープファンの子供たちを養成していく・・まさに女系による母親を中心としたカープファン増殖の連鎖が広島には完璧に出来上がっているという点が重要です。

さらにいえば、タイガースファンやジャイアンツファンの男性と広島女子が結婚した場合、その家庭の子供は何ファンになるか??みなさんのご家庭の実情に照らし合わせてみれば、カープファンになるのは必然ではありませんか?

それほど母親は強く、いわば家庭内の絶対権力者です。となると、本気で広島女子を日本全国に送り出せば、そのうち日本のプロ野球中がカープファンだらけになってしまうのではないか、などと真面目に思うわけです。他球団の方は全くノーマークだと思いますが(笑)。

このように女性をマークし母親をファンにしてしまうと自然に子供もファンになるという連鎖はビジネス上でもよく見られます。

例えば昔のマクドナルドがそうでした。女性に徹底的に売り込むことでその子供たちがまた子供を連れて帰ってくる、という考え方を取っていました。ただ、時代の流れで、その母親たちがインターネットなどを通じて様々な知識を身に着けてきて、健康志向に転換していく、という大きな時代の流れを見失ったのが痛手です。

マクドナルドにビジネス上の致命的戦略ミスがあるとすれば、それは女性という支持層を失ったことだと言っていいでしょう。何せ子供に引き継がれますから、これを取り返すのには1年や2年の努力では無理なのです。ひとたびこの連鎖から外れると、回復するのに30年くらい要することも稀ではありません。

次ページ「おっさん」だらけの再生ビジネスは限界
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事