「業界地図」で探す地方の知られざる有力企業 都道府県の売上高首位企業、大阪は伊藤忠商事
では近畿の各府県の代表的企業を北部から順に見てみよう。滋賀県に本社がある製造業で県内売上高首位だったのは、薄型パネル用ガラス大手の日本電気硝子。
戦後にNECから分離・独立した経緯があり、韓国LGや台湾AUOといった顧客を抱えるグローバル企業だ(なおここでいう売上高上位企業は、各都道府県に本社・本店を置く株式会社などを対象に、東洋経済が保有する上場企業・未上場企業の業績データと、東京商工リサーチの業績データを基に選出。売上高は2023年6月期から2024年5月期までの直近決算を対象としている)。
京都府を代表する企業といえば、家庭用ゲーム最大手の任天堂が挙がるだろう。10月には宇治市に、同社の歴史に触れられる「ニンテンドーミュージアム」を開設予定。ゲームファンを中心に県外からの集客効果も期待できそうだ。
兵庫県の製造業首位は鉄鋼大手の神戸製鋼所。1905年設立の名門で、造船業をはじめ地元の重工業を支えてきた。同様に三重県の売上高首位は電装・ケーブルの住友電装。住友電気工業の子会社で、自動車用ワイヤーハーネスのリーディング企業だ。
奈良県創業の工作機械大手
奈良県を代表とする企業といえば、工作機械大手のDMG森精機。1948年に奈良県大和郡山市で創業。2004年に取引先の自動車企業が多い愛知県名古屋市に本社機能を移転したが、2016年にドイツの工作機械大手ギルデマイスター社を連結子会社化したことを契機に、2022年以降は奈良と東京の2本社体制を導入している。
また和歌山県で売上高首位となったのは近畿・中部地方で食品スーパーを展開するオークワ。地方では製造業大手が立地すると、売上高上位にランクインしやすいが、目立った製造業が乏しい県では、食品スーパーなど生活に密着した流通業が上位に入りやすい。
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