ホンダ「ZR-V」隠れた人気SUVの発売1年通信簿 爆発的ではないが着実に売れ続ける理由とは

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2024年上半期(1月~6月)の販売台数が4万4164台(日本自動車販売協会連合会調べ)となり、2024年上半期SUV新車販売台数1位となったホンダのヴェゼル
2024年上半期(1月~6月)の販売台数が4万4164台(日本自動車販売協会連合会調べ)となり、2024年上半期SUV新車販売台数1位となったホンダのヴェゼル(写真:本田技研工業)

人気のヴェゼルが、一見グリルレス風の顔つきであるのに比べ、ZR-Vは、縦の格子をはっきり見せるグリルによって、強い存在感をもたらしている。ラジエーターグリルを明確にする傾向は、ヴェゼルより小柄な「WR-V」でも引用され、それによってヴェゼルの独自性も改めて明らかになるという効果が生まれている。顧客層の違いを互いに補うことにもなっているはずだ。

上質さが際立つ乗り心地

ZR-Vのスタイリング
ZR-Vのスタイリング(写真:本田技研工業)

ZR-Vに乗って印象的だったのは、ハイブリッド車(HV)での静粛性と上質な乗り心地である。ヴェゼルも心地よいSUVだが、ZR-Vは上級車種という感触で上まわる。着座したときの目線がSUVにありがちな高い印象ではなく、セダンとまで低くないまでも、気持ちを落ちつかせる安心感をもたらす。フィット以来のホンダ車共通といえる、平らな造形のダッシュボードによる視界のよさも効いている。

ZR-Vのインテリア
ZR-Vのインテリア(写真:本田技研工業)

後席も、きちんと座れる座席のつくりと空間のゆとりがあり、長距離移動も快適だろう。

走行中の乗り心地は、欧州車のようなしっかりとした手ごたえがありながら、路面の変化を適切に吸収し、体に衝撃を伝えない。爽快かつ快適な走りという開発目標が的確に結実されている。ヴェゼルよりあとからの市場導入により、熟成度を増す時間の余裕が、上級車種らしい味わいをもたらしているのではないか。

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