Airbnbでは「性的暴行」の被害が起きている 他人の家に宿泊するときの注意点は?
AirbnbやUber(ウーバー)などの企業は、自分たちをシェアリング・エコノミーの先駆者と呼ばせることに成功してきた。実際は、部屋を他人に貸し、他人を車に乗せて料金をもらうという事業だが、それをシェアリング・エコノミーという言葉で巧妙にカバーしている。
しかし、彼らが実際にシェアしているものはリスクである。保険会社は一般の人々が自宅で旅館を運営したり、おカネをもらって他人を車に乗せたりすることを必ずしも好まない。また、Airbnbに登録されている家の紹介文には、近づくと噛みつく犬がいることは書かれていないかもしれない。
Airbnbの対策は?
それでも、理屈と良識に基づいて考えると、ロペスが語ったような危険が起こった時には、Airbnbが助けに来てくれると思うのではないか。
Airbnbはこの出来事を受けて、危険な状況にいると誰かが連絡してきた時には必ず警察に通報するよう、従業員に対して方針を明確にしているところだと述べた。
ロペスは今回の出来事について、彼の実家での3時間に及ぶインタビューで話してくれた。その内容は彼が警察に報告した内容とも合致している。マドリード警察は捜査についてはコメントしなかったが、ホストによると警察は彼女の家を訪問したという。彼女は、身の潔白が証明されると思うと述べた。
Airbnbによると、週末には80万人が世界のAirbnbのホストのもとに宿泊しており、その中でロペスの件は唯一のものだという。この事件では、同社の安全対策のいくつかが互いに対立した。Airbnbは一方では、性的暴行の被害者自身が、いつ、どのように犯罪を通報するのかを自分で決めて欲しいと考えている。他方で、同社は顧客が危険な目にあっている時には、その進行中の犯罪に関して自分たちが通報し、警察が求めれば即座に情報を提供したいと考えている。
同社広報担当のニック・パパスによると、ロペスの件では、Airbnbの従業員は性的暴行がすでに起こったものだと考えたという。ロペスの母親のジャイルズによると、彼女が最初にAirbnbに電話した時には、今にも事件が起こりそうだと伝えたが、その後息子から連絡を受けて、もう事件が起こったと話したという。
パパスはメールで次のように述べた。
「この事件から多くを学べ、改善できると認識している。緊急事態が起こっていると知らされたら常に警察に連絡できるよう、方針を明確にしているところだ。安全こそが当社の第一優先事項で、ホストにもゲストにも、可能な限り力を貸したいと考えている」