パリ五輪、選手の不満が続出したモヤッとする真相 次回のロス五輪に向けて突きつけられた大課題
1食当たりのCO2排出量を基準値内に抑える取り組みを含め、調達する食料品は地産地消に徹底した。摂取できるカロリー、製造コストなどはさまざまに制限された。さらに動物飼育のCO2排出、動物保護からも肉が避けられた。
味についても「とてもまずい食事」「魚に虫が入っていた」との感想が相次いだほか、衛生管理面、選手らを長時間レストラン内で並ばせるといったオペレーションの不備もやり玉に挙がった。
選手村への不満は料理だけではない。部屋にはカーテンもエアコンもなかった。これも理由はCO2排出を抑えるため。エアコンの代わりに、床下に張り巡らされた管に冷たい地下水を通す床冷房を設置したが、猛暑を懸念して日本のようにエアコンを自費で持ち込んだところも少なくなかった。
それ以外にも、部屋の清掃が毎日ではなく、シーツも毎日は変えないために、清潔さが保てないとの声もあった。
高速鉄道TGVの送電施設に放火される事件が発生
そもそも環境保護団体は、五輪・パラリンピック開催に反対した。世界中から大勢の人が飛行機を利用して観戦のために集まるため、地球温暖化対策に逆行するからだ。組織委員会は、ベルギー、スペイン、イギリス、オランダなど周辺国に対して交通手段として航空便使用を避け、鉄道を利用するよう要請した。
が、開会式当日の7月26日に混乱が起こった。フランスの高速鉄道TGVの送電施設に放火される事件が起きたのだ。幸い3日間で全面復旧したが、交通手段は気候戦略で需要なカギを握っていたため、組織委員会に緊張が走ったが、犯人は捕まっていない。
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