CFS株主総会 委任状争奪は完勝でもイオンに重い課題
イオンはCFSの経営統合案をめぐる委任状争奪戦で勝利を収めた。しかし、CFS再建は一筋縄ではいきそうにない
(週刊東洋経済2月2日号より)
1月22日開かれたCFSコーポレーションの臨時株主総会で、アインファーマシーズとの統合案は議案承認に必要な3分の2に届かず否決された。反対票は42・8%に及んだ。CFSの筆頭株主(出資比率15%)で、委任状争奪戦を繰り広げたイオンの幹部は「当初の読みは35%ぐらいだった。われわれに対する支持が予想以上に多かった」と打ち明ける。
統合比率に不満を持つ個人投資家だけでなく、純投資を除く金融機関のうち6割が反対票を投じた。イオンは統合の発表があった昨年10月から、CFSの主要株主を個別に訪問。中心となったイオンの早水惠之ドラッグ事業企画部長は過去の経緯、既存株主に対する不利益、イオンが示した代替案を”3本柱”として、25~30社に対し説明して回ったという。早水部長は「アインとの統合を支持する訪問先は1社もなかった。今回の結果は株主に対する説明責任の差ともいえる」と語る。
統合が白紙撤回され元のサヤに戻った形だが、両社には深い溝がある。CFSの中堅幹部は「まさか統合が否決されるとは。社員にも統合に対する理解が深まっていたのに」と戸惑いを隠さない。CFSの石田健二会長兼社長は続投に意欲を示しており、アインとの統合の火種もまだ完全には消えていない。
今後はCFS経営陣刷新やTOBによる出資比率引き上げが定石だが、再建の舵取りを考えるとイオンも慎重に進めざるをえない。CFS再建の行方はなお波乱含みだ。
(週刊東洋経済:並木厚憲記者、佐藤未来記者 撮影:梅谷秀司)
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