あなたにも出来る!社労士合格体験記(第40回)--突然の激痛に、救急車で搬送
一方、「入院時食事療養費」は食事療養に要した費用について支給されますが、食事療養標準負担額を控除した額とされています。この食事療養標準負担額とは、つまり自己負担額のことですが、原則1食につき260円で3食が上限(1日780円)となります。また、一定の低所得者については、要件に応じて1食につき210円、160円、100円などに減額される場合もあるので注意してください。
試験対策としては、栄養点滴は「療養の給付」であるから、栄養点滴のみを受けている者からは食事療養標準負担額は徴収されないという論点を押さえておいてください。ただし、一部負担金は徴収されます。
細かい部分も大きくとらえる
同じ入院でも、特定長期入院被保険者については、給付や自己負担額の名前が変わるので注意が必要です。それぞれ「入院時生活療養費」と「生活療養標準負担額」になります。なお、この特定長期入院被保険者とは原則、療養病床に入院している65歳以上の患者です。
この生活療養標準負担額は、入院中の食費と居住費を合わせたものと考えられます。原則の負担額は食費について、栄養士などが管理している場合は1食460円、それ以外は1食420円、居住費が1日320円です。しかし、原則の額以外にも、所得の状況、症状の程度、治療の内容その他の事情を斟酌して、いろいろな例外パターンが規定されています。
平成20年の択一式では、「市町村税を納付している67歳の被保険者が、保険医療機関の療養病床に入院し、病状の程度が重篤な場合、生活療養標準負担額については、居住費分の負担はなく、食費分として1食につき260円の負担となる。(○)」という細かい論点が出題されました。たまたま、前出の食事療養標準負担額の原則額と同じなので混乱しますが、こちらはあくまでも生活療養標準負担額です。
そして、ここでは細かい数字を覚えるよりも、こういった例外パターンがいろいろあるということを、頭の隅に留めておくことをお勧めします。実際の試験では、他の選択肢との比較をしながら、正解にたどり着けることもあるからです。
次回は、2回目の社労士試験に挑戦します。
【毎月第2・第4火曜日に掲載予定】
翠 洋(みす・ひろし)
1958年愛知県生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)入社。番組制作、報道、出版事業などを経て45歳で退職。延べ1年半の失業期間の後、NHK「地球ラジオ」の専属ディレクターとして3年勤務。その間、ファイナンシャル・プランナー(AFP)に登録。2007年4度目の挑戦で「行政書士」合格後、行政書士法人で外国人の日本在留ビザ申請代行業務に従事。「社会保険労務士」には、2008年4度目の挑戦で合格。Mr. MISU国際行政書士事務所、中央社労士オフィスみす開設。現在は、LEC講師として社労士「新合格講座」「人事労務基礎科」などを教えている。趣味はアルトサックス演奏、温泉巡り。「語学オタク」。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら