「鉄子」がJRを辞めてタレントになったワケ 駅員だった私の背中を何が押したのか

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鉄道の切符は「旅客営業規則」に基づいて発券される。旅客営業規則とは、鉄道会社と乗客の間で結ぶ契約に関する約款である。

ただ、その規則を初めて勉強したとき驚いた。規則をまとめた本は国語辞典並みにぶ厚かったからだ。しかも、すべての切符が旅客営業規則に基づいて作られているのかといえば、そうでもない。

毎月のように発売される特別企画乗車券(割引きっぷ)は切符ごとに通達がくるのでそれも勉強しないといけない。旅客営業規則についてはもちろんのこと、乗換案内や地理にも詳しくなくてはならない。

駅員はそんなに難しい仕事ではないと勝手に思い込んでいたので、勉強量の多さに何度も挫折しかけた。しかし、大好きな鉄道の仕事ができる。それだけで幸せだった。

自分にしかできない仕事、「鉄道タレント」

そんな駅員の仕事も3年目を迎えようとする頃、ふと自分の将来について考えるようになった。「鉄道の魅力を伝える仕事がしたい、鉄道番組に出たい」——。

大好きな鉄道の仕事を辞める事は、本当に覚悟のいる事だったが「何かに挑戦するなら、今しかない」そう思ったからだ。

勝手に「鉄道タレント」と名乗り、活動していれば誰かが見てくれるのではないか。そう考えてJR西日本を退職し、“自称”鉄道タレントとして活動し始めた。鉄道番組を勝手に作り、ユーストリームで流した。はじめはバカにされることもあった。しかし、認めてくれる人もいて、少しずつではあるがタレントとして仕事をもらえるようになり、1年程で所属事務所も決まった。

そこへ「専門学校の講師をしないか?」という話も舞い込んだ。観光系の専門学校の鉄道科の講師だ。これも鉄道の魅力を伝えるという私の思いにピッタリの仕事だ。今では、講師業もタレント業も4年目を迎える。

実際に鉄道会社で働いたという経験を生かして、自分にしか発信できないもので勝負したい。ここでは自分の経験を交えながら、切符にまつわる記事を書きたいと考えている。

古谷 あつみ タレント・講師

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ふるや あつみ

JR西日本出身の鉄道タレント。鉄道関係のテレビや雑誌、イベント等で活動するほか、東京観光専門学校等の多数の専門学校、公立高校等で講師を務める。

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