グーグルは「マイクロソフト的失敗」を恐れた もっとも優秀な人を集めた会社が勝つ
あるテック系企業のCEOは今週、次のように私に話した。もっとも優秀なエンジニアを雇うことは、ネットワーク効果を生み出す。最高のエンジニアは、最高のプロジェクトを行うため、もっとも優秀な人々と取り組みたがる。企業は優秀な人材を集めれば集めるほど、より良いプロジェクトに取り組むことができる。そして、そのことがさらに優秀な人々を集めることにつながるのだ、と。
これは、シアトルという場所がアマゾンのようにテクノロジー企業のハブになった一つの理由である。ワシントン州シアトル郊外のレッドモンドに拠点を置くマイクロソフトは、非常に多くのコンピュータ技術者を街に引き寄せることによって、この街の基盤作りを行った。その基盤の上にあるのがアマゾンである。
6年連続で「もっとも働いたい会社」に
目下、グーグルは、世界でもっともクールな会社の一つであり続けている。これは、そこでの仕事を求めている人々の数で測定される。過去6年間、グーグルはFortune誌調べによるもっとも働きたい会社リストで1位にランキングされた。
グーグルは、サンフランシスコ、シリコンバレー等で働くコンピュータ技術者に対して、標準とみなされるようなサービス基準を設けている。例えば、すべての従業員にシェフがデザインした食事を提供する、無料のカフェテリアである。
しかし、グーグルだけがホットな会社であるわけではない。グーグルは同地に本拠を置くフェイスブック、ツイッター、さらに新しいスタートアップの集団との雇用競争に直面している。
会社を最先端に維持することは、従業員を幸せにすること以上に重要である。従業員は、自分たちは会社と関連性を持っていて、経営陣に意見を聞かれていて、大きな目的を持っていると感じていなければならない。仕事に目的意識を植え付ける最も良い方法の一つは、人々にまるで彼らが世界を変えているかのように感じさせることである。
グーグルの奇抜なプロジェクトは世界を揺るがす可能性がある。運転手のいない車は、私たちの動き回り方を再考案するかもしれない。かなり冷やかされたグーグルグラスでさえ、次のバージョンで素晴らしいものであることが分かるかもしれない。人々の老化に対抗することを目指すCalico社(グーグル傘下のライフサイエンス会社)の寿命長期化プロジェクトは、すべての技術的研究が目指すべき偉大なる聖杯に向かって進んでいることを意味する。
こうした「自分が世界を変えている」と思わせるプロジェクトが、優秀な人々を惹きつける。