85歳投資家「投資歴50年を生き残ってきた極意」 「老後のための2000万円」は将来的に足りなくなる

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内閣支持率のニュースは、相場にたいした影響はない場合がありますが、アメリカ、中東のニュースは日本の物価、企業の業績に大きな影響があるので、無視はできないのです。

デフレ、インフレで懐が変わる

お金の価値は時間と共に変わるという感覚は重要なことです。私が高校を出て、東京で生活をしたとき(後に大学に進む)、賃金はひと月に8000円程度という今では考えられない水準でした。

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しかも、家賃は6畳一間を借りて6000円です。月給が6畳一間の家賃に近いというのは問題ですが、私は6畳一間に友人と暮らしていましたので、実質3000円です。

3畳一間を借りていたこともあります。その当時の物価は、ラーメンが30円、定食が40円。山手線の運賃が一回り10円でした。これが、今から60年前の経済です。私が結婚して、新婚の家を借りたのが、東京の渋谷区幡ヶ谷で、6畳一間にトイレ、ミニキッチン付きで1万6000円でした。

この当時、親から遺産の代わりに200万円をもらいましたが、そのとき買った埼玉県南部の一戸建て分譲が430万円でした。たいした物件ではありませんが、一応、3DKの住まいでした。

それが今では、都心の中古のファミリーマンションが安くて5000万円、新築のタワーマンションは1億円します。

このように、お金の価値は、インフレなどの影響でどんどん変わります。不動産などを保有していれば、価値の変動にリンクしますので、不動産価格はインフレなどについていきますが、タンス預金、ほとんど利息の付かない普通預金で放置すれば、時の経済の変動でドンドン、価値が落ちていきます。

いま、都内で、家賃3000円で住めるファミリーの家はありません。ラーメンも30円では食べられません。つまり、お金の価値は変動するということです。

どのように変動するかと言えば、価値が落ちるということです。落ちないのは、金相場と、都会の不動産です。この価値の変動の実態を知らないと、お金は増えるどころか、減っていきます。

老後資金は2000万円必要などと言われてもいますが、将来的に、この金額は、足りない金額になっていきます。そのために、不動産資産やリスクはありますが、株式などで経済の変動にリンクするお金の運用力をつけていきたいものです。

石井 勝利 個人投資家

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いしい かつとし / Katsutoshi Ishii

早稲田大学政治経済学部卒。1939年生まれ。宇都宮工業高校から、高卒で文化放送に就職。働きながら夜学独力で大学を出た苦労人。政党機関紙の記者を23年務めた後、住宅、金融等の著作、評論活動で独立。『日本経済新聞を120%読みこなす法』(10万部)、『マンガ版 生まれてはじめて株をやる人の本』(20万部)等で、ベストセラーを連発。最近はデイトレ対応、チャートの読み方、5分足チャート、仕手株本などを手がけ、ヒットを飛ばす。投資生活45年超、著作は400を超え、安定したファンがある。
X:@kabu100rule

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