85歳投資家「投資歴50年を生き残ってきた極意」 「老後のための2000万円」は将来的に足りなくなる

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投信の運用で物足りないときは、株式では、防衛の三菱重工業、車のトヨタ自動車、生命保険の第一生命ホールディングス、食品の味の素、ビールのアサヒグループホールディングスといった日本を代表する企業の株を買い、NISA口座に入れましょう。

その際に、PER(株価収益率)、PBR(純資産倍率)のデータも確認しましょう。東証は、とくにPBRが1倍を下回る銘柄について「株価対策」を要求しており、会社側がこの対策を打ってくる傾向が強いので、長期の運用では大きなマイナスを出す可能性は低いでしょう。

このように、運用実績、企業の安定、成長性をしっかりと把握して、運用しましょう。さしたる努力もしないで、NISAでの運用がうまくいくことは皆無です。努力しないで、お金が増えることはありません。このことをしっかり肝に銘じ、調査し、投資対象に入れることを勧めます。

情報を素早く理解できる者が勝つ

相場の世界では、情報、材料をいかに素早く理解し、動くかが肝心です。もっとも相場への影響があるのは、アメリカ経済のデータです。それほど、アメリカ経済は日本の市場に影響があります。アメリカの大手の企業は、時価総額で、世界のリスク資産の相当な部分を占めます。

ですから、これらの企業の株価に影響する金利、為替、原油相場、金相場、消費者物価、景気動向などには、敏感に対応しなければなりません。

日本の株価が、アメリカの経済指標の影響をまともに受けるのです。日本のGDPの数値ではさしたる動きはないのに、アメリカ経済のデータで日本の株価が大きく動きます。

これはアメリカ経済の世界経済に対する影響力が大きいという実態を映し出しています。日本企業の大半はアメリカに拠点を持ち、収益を上げています。アメリカでの減税や様々な優遇制度は、アメリカに進出している企業に大きな影響を与え、業績に反映されます。

もちろん、GDPがアメリカに次いで大きい中国、インドなどの経済も見逃せません。しかし、アメリカの比ではありません。自由主義の国の王者であるアメリカは、日本の企業と大きくリンクしており、朝方、ニュースになるアメリカの株価、原油の値段は見逃せないのです。

これに追加して、見逃せないのが中東です。日本のエネルギーの大半は、中東の原油、天然ガス等に頼っています。電気代金、資源など、その価格動向、紛争などは、地政学リスクとして、相場に大きく影響します。

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