中国の女性が結婚写真に世界一こだわる理由

沖縄などで撮影する中国人カップルが急増

その兆しは、海外前撮りにも現れている。操り人形のように見える前撮りは、もう我慢できない。プロの撮影チームと一緒に海外に行き、最高峰とされるVera Wangがデザインしたウェディングドレスでビシっと決めるカットはやっぱりあこがれるが、もう一方では、安いスニーカーを履いてカジュアルな格好で撮ってもらう。

そこに「女優の顔」は不要だ。二人の旅行中の瞬間や特別なストーリーを撮ってもらい、結婚式の一瞬だけではなく、人生の一つの大切な記念として残したい。前撮りの延長線として、親友を呼び、そのまま結婚式を開くケースも増加している。

中国人女性に「リアルな幸福」を実感させるサービスを

そこには親から「解放された」新しい子どもの姿がある。結婚式は自分のことを心から祝福してくれる人だけを集めてやりたい。

また結婚後も、夫の言いなりにはならず、自分がやりたいことを続けたい。毎日仕事で疲れ切っているワーキングマザーよりも、子供と一緒に成長したいので、専業主婦になりたい。もっと言えば、自分の価値を自分で決めたい、年齢と関係なく希望を持って生きていきたい、もし結婚しなくても自分の意志で輝きたい・・。ひとことで言えば「わが道を選べる人生」こそ、今の中国の女性が望むリアルな幸福だ。

だが、こうしたニーズに対応する商品やサービスはまだまだ少ない。たとえば、中国では料理学校と言えば、プロの料理人を養成する学校のことをさす。これから結婚を迎える女性など、一般女性を対象にした料理教室はほとんどない。

そういう事情も手伝って、数年前からは中国版のクックパッド「下厨房」(キッチンに入ろう)というアプリが人気だ。このアプリでは、料理のおいしさだけなく、生活の美しさが伝わってくる、きれいな盛り付けのレシピが女性ユーザーに喜ばれている。

「下厨房」では、レシピをシェアするだけではなく、おしゃれなキッチン用具から食材まで、簡単にネットで買うことができるのも、人気の理由だ。

今の中国には、専業主婦も含め、多様化し始めた女性のライフスタイルを満たすサービスが不足している。専門家の直接指導が受けられる料理教室や、日常生活をもっと楽しく美しくするサービスや商品を届けることができれば、とてつもなく大きなビジネスチャンスになるはずだ。また、それが大きな社会の変化にもつながる。

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