【産業天気図・海運業】利益水準高いが、コンテナ船の低調で大手が軒並み減額修正

海運業は第1四半期(4~6月)の発表時点で早くも大手3社が減額修正を発表するなど、調整色が一段と強まっている。ただ、収益の絶対水準は各社なお高く、今期後半の景況については「曇り」予想を継続、といったところ。
 大手3社が減額修正した最大の要因はコンテナ船部門の収益が燃油価格の高騰とコンテナ運賃市況の軟化で急悪化したため。特にコンテナ船部門のウエイトが高い川崎汽船<9107.東証>では今期の営業利益予想が前期比36.3%減と大幅ダウン。日本郵船<9101.東証>ではコンテナ船部門のみならず、前期中に子会社化した日本貨物航空も燃油高の影響で赤字となり、全社営業利益も前期比27.4%減と、やはり大幅減益を見込んでいる。
 一方、海運の中でも鉄鉱石などを運ぶバラ積み船や原油タンカーなどの資源エネルギー船は相次ぐ新造船の寄与に加え、運賃市況も第2四半期(7~9月)以降、急回復の動きを見せている。さらに燃油高も荷主に転嫁できる形の契約が多いため、期初想定を上回る順調ぶりだ。コンテナ船部門を持たず、バラ積み船や資源エネルギー船が主力となっている準大手の飯野海運<9119.東証>、新和海運<9110.東証>、第一中央汽船<9132.東証>などでは、むしろ『会社四季報』予想を増額した。また、大手3社の中でも、この分野のウエイトが比較的高い商船三井<9104.東証>では、全社営業利益が前期比15.6%減と、日本郵船・川崎汽船に比べれば多少減益幅が小さくなりそうだ。
 とはいえ、海運マーケット全体では大手3社の占めるウエイトが圧倒的なため、やはり今下期は「曇り」。来期の前半については燃油や運賃市況、為替に左右される部分が大きいが、足元の条件でほぼ推移するならば「曇り」が継続しそうだ。ただ、数年前に造船所に発注した船価の低い新造船の竣工がピークに達するうえ、コンテナ船の運賃市況にも好転の兆しが徐々に出始めており、いくぶん「晴れ」に近くなる可能性も期待できそうだ。
【大滝俊一記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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