「フワちゃん・川口アナを許さない」に言いたいこと 制裁を受けた人を叩き続ける行為は"適切"なのか

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過去の事例に照らしても、川口さんの投稿の“深刻度”と照らして、所属事務所を契約解除になるほどの問題だったのかは疑問が残るところだ。

いずれにしても、川口さんも謝罪を行っているし、十分な制裁も受けている。これ以上叩く理由もないように思える。

不適切な投稿を行った人を叩くのは“適切”な行為なのか

私事(わたくしごと)になるのだが、筆者は前の3連休に津軽地方を旅行し、「太宰治疎開の家 旧津島家新座敷」を訪れた。

ここは、第2次世界大戦の時、作家の太宰治が1年4カ月滞在し、数々の名作小説を執筆した場所である。

その座敷の柱に、小説『人間失格』の下記の一文が貼り出されていた。

それは世間が、ゆるさない
世間じゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう?
そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ
世間じゃない。あなたでしょう?
いまに世間から葬られる
世間じゃない。葬むるのは、あなたでしょう?

これを読んで「いまの時代もまったく同じだな」と、深い共感を覚えた。

「いじめられた経験のある人は、(フワちゃんの投稿に)深く傷つくだろう」

「(川口さんに対して)猛暑の中で肉体労働をしてシャワーも浴びれない人もいるんだ」

といったコメントが、いまだになされている。

当事者でもない人やメディアが、世の中一般の声を代表しているかのような顔をして、不適切な行為を行った人を追い込むことが、はたして“適切な行為”なのだろうか? 疑問に思えてならない。

【写真】「“体臭”失言」で契約解除になった川口アナの謝罪文、過去に炎上した「不適切投稿」を見る
西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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