グーグルの新Pixelが「日本市場」を意識した理由 コンパクトハイエンドと折りたたみで4モデルを展開

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Proの2モデルとスタンダードなPixel 9の違い、はディスプレイとカメラ、メモリー容量だ。ディスプレイはどちらもリフレッシュレート120Hz駆動となっており、スクロールなどが滑らかに表示できるのは同じだが、Proシリーズのほうはさらに輝度が明るく、それでいて省電力なディスプレイを採用している。

AIカメラには魔法のような新機能も

Pixelシリーズといえば、「消しゴムマジック」に代表される、AIを使った写真編集機能「編集マジック」が有名だ。今回、この編集マジックに「オートフレーム」と「イマジネーション」という2つの機能が加わった。

オートフレーム機能は、撮影後にAIが構図を提案して、より良い構図にワンタッチで修正できる機能だ。黄金比や三分割法といった写真の構図理論に基づいて、最適な構図を提案する。同時に、必要ならば生成AIを使用して写真の範囲外まで背景を拡張することもできる。

例えば竹やぶの中で撮影した集合写真にオートフレーム機能を適用すると、AIが構図を調整し、背景の竹やぶを拡張して、より広い空間を写したような効果を生み出す。ただし、拡張された部分は実際の空間を写したものではなく、AIが生成したものというわけだ。

AIが「存在しない背景」を生成し、美しい構図へ変換するオートフレーム機能(筆者撮影)

「イマジネーション」機能では、プロンプト(AIへの指示)を使用し、さらに大胆な画像編集が可能だ。例えば背景を花火の空に変更するといったことだってできる。なお、現時点でのプロンプト入力は英語のみとなる。

また、カメラ撮影では「一緒に写る」という新機能を搭載。この機能を使う際は、写真を2回を撮影する。1回目は撮影者以外の全員を撮影し、2回目は撮影者がほかの人にスマホを渡して自身も写真に入るといった具合だ。2回目の撮影者は、ARで表示された撮影ガイドに合わせて撮影することで、撮影者も含めた完全な集合写真ができあがる仕組みだ。

2回目の撮影では、最初に撮った集合写真が撮影ガイドとしてAR表示される(筆者撮影)

思い出の写真を、より見栄えの良いものにしたいというユーザーの要望に応える機能といえる。筆者はこれらの技術が「写真とは何か」を巡る、古くて新しい議論を再燃させるのではないかと考えている。現実を忠実に切り取るものなのか、それとも創造的表現の一形態なのか……。

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