給食の牛乳からセシウム、説明を怠る明治と町田市

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方の町田市も対応が鈍い。「学校給食の放射能測定実施については、市民の請願に関連して6月の健康福祉常任委員会で付帯決議がなされたうえ、10月4日には市議会本会議でも全会一致で決議されている。にもかかわらず市は着手の姿勢すら見せていない」(吉田市議)。

これに対して、町田市教育委員会の高橋良彰・保健給食課長は「議会の決議はたいへん重たい」と語る。が、「(測定実施には)市長部局からゴーサインが出ていない」と及び腰だ。本誌は石阪丈一市長にも測定に関する考えを尋ねたが、これまでのところ回答は得られていない。

吉田市議宛の明治による回答書には注目に値する記述もある。問題の牛乳を製造していたのが、明治の神奈川工場(茅ヶ崎市、写真)であり、「主な集乳地域」が「神奈川県、静岡県、千葉県、北海道、青森県、岩手県、宮城県、山形県」であると記されていた点だ。本誌の取材に対し、明治は多くの産地の原乳を混ぜて牛乳を製造していると認めている。

放射能汚染問題に詳しい、高木学校の崎山比早子氏(元放射線医学総合研究所主任研究官)は語る。「混乳されたうえで6ベクレル/キログラムが検出されたということが事実だとすれば、混ぜる前の牛乳はかなり汚染されていた可能性が高い。産地を特定して、汚染源を断ち切るための対策を直ちに講じるべきだ」。

しかし、明治は本誌や吉田市議のみならず、町田市に対しても汚染原因についていっさい説明をしておらず、町田市も問題を放置している。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事