駅看板の文字「明朝体」「手書き寄り」が静かに流行 公共サインの「書体」も時代と共に変化している

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今回取り上げている書体がデザイン・発売された年代は、おおよそ20年刻みになっています。ひとつの日本語書体を制作するのには、ひらがなやカタカナだけではなく、数千から数万の漢字を制作する必要があり、2、3年の期間を要します。

そして、それらの書体が発売されて世の中に定着するまでに、数年から10年ほどかかると言われています。そのため、その時々のトレンドがダイレクトに反映されるわけではありませんが、時代の空気を徐々に反映していることがわかります。

長い時間をかけて景色の一部になる

世の中に書体は日本語だけでも3000種類以上あるといわれますが、完璧な書体というものは存在しえません。

公共サインであれば、設置されている環境によって最適な書体というのは変化します。また、ファッションのトレンドに見られるのと同じように、書体もかつて古いと言われたものが斬新に見えるなど、その時代を生きる人の受け取り方によって変わってきます。

多くの書体の中からひとつの書体が選ばれて、それが私たちの日常に馴染み、長い時間をかけて日本の景色を形づくっているのです。

一般道で数十年使用され続けている丸ゴシック体、ナール(写真:筆者撮影)
土井 遼太 書体デザイナー/グラフィックデザイナー

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どい りょうた / Ryota Doi

1990年島根県生まれ。東京藝術大学デザイン科を卒業後、英国レディング大学書体デザインコースで修士号を取得。2015年より書体デザイナーとしてMonotypeに在籍し、和文書体や欧文書体のデザインプロジェクトに携わる。一方で、2020年に個人事務所 Ryota Doi Design Office を設立し、さまざまなクリエイティブの分野に活動の幅を広げている。

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