風呂に水を溜めるはNG、震度6以上の自宅避難対策 ひと昔前は良しとされていた常識も今や過去の話
世界有数の地震大国で暮らす我々は、災害への備えを絶対に忘れてはならない。
改めて考えたいのが、「現状の防災対策が果たして正解なのか」ということ。実際の被災時のイメージが曖昧では、本当に必要なモノ・コトはわからない。
そこで今回は、「震度6以上の地震が発生した際の自宅避難」というシチュエーション想定のもと、本当に役立つ防災テクニックをご紹介。話を聞いたのは、国際災害レスキューナースの辻直美さんである。
災害時に必要な1日の水量は最低でも3L
東京都水道局の調査によれば、家庭でひとりが1日に使う水の量は、平均214L程度(令和元年)だが、辻さんによると髪の長さがセミロングくらいの成人女性が1日使う水の量は276L(2Lペットボトル138本)程度とさらに多くなる。
その使い道は手洗い、入浴、トイレ、掃除、料理、飲用など、当然ながらどれも生活に欠かせない。逆を言うと、地震で断水が発生した際、これらのすべてが十分に行えなくなるわけだ。
では、災害時の水事情はどうか。
災害時、人が1日に必要とする最低限の水の量は、飲食用に2L、生活用水に1Lの計3L。平時とは比較にならないほど少ないが、この圧倒的な差をイメージできていない人がほとんどだと辻さんは言う。