風呂に水を溜めるはNG、震度6以上の自宅避難対策 ひと昔前は良しとされていた常識も今や過去の話

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青木重樹地震津波対策企画官
宮崎県で震度6弱を観測した地震について、記者会見する気象庁の青木重樹地震津波対策企画官(写真:時事)

世界有数の地震大国で暮らす我々は、災害への備えを絶対に忘れてはならない。

当記事は、『OCEANS』の提供記事です。元記事はこちら

改めて考えたいのが、「現状の防災対策が果たして正解なのか」ということ。実際の被災時のイメージが曖昧では、本当に必要なモノ・コトはわからない。

そこで今回は、「震度6以上の地震が発生した際の自宅避難」というシチュエーション想定のもと、本当に役立つ防災テクニックをご紹介。話を聞いたのは、国際災害レスキューナースの辻直美さんである。

教えてくれたのは辻直美さん
辻 直美さん
辻直美さん●国際災害レスキューナース、一般社団法人育母塾代表理事。国境なき医師団の経験を経て、現在はフリーランスのナースとして活動。講演と防災教育を行いながら、要請があれば被災地にも出向く。国内外30カ所以上もの被災地で実地経験を持つ、防災のエキスパート(写真:OCEANS編集部)

災害時に必要な1日の水量は最低でも3L

東京都水道局の調査によれば、家庭でひとりが1日に使う水の量は、平均214L程度(令和元年)だが、辻さんによると髪の長さがセミロングくらいの成人女性が1日使う水の量は276L(2Lペットボトル138本)程度とさらに多くなる。

その使い道は手洗い、入浴、トイレ、掃除、料理、飲用など、当然ながらどれも生活に欠かせない。逆を言うと、地震で断水が発生した際、これらのすべてが十分に行えなくなるわけだ。

では、災害時の水事情はどうか。

災害時、人が1日に必要とする最低限の水の量は、飲食用に2L、生活用水に1Lの計3L。平時とは比較にならないほど少ないが、この圧倒的な差をイメージできていない人がほとんどだと辻さんは言う。

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