【産業天気図・ソフト/サービス】金融・通信需要旺盛、選別受注で各社とも“左うちわ”

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ソフト・サービス業界は絶好調だ。経済産業省の特定サービス産業動態統計調査(特サビ統計)によると、業界売上高は今年に入って7カ月連続で増加を続けており、特に業界の柱であるシステムインテグレーション(開発)が7月だけで9.1%の高い伸びを示している。金融、通信でシステム投資が活発化していることが背景で、業界の主要各社には来期までこの活況が続くと見込む企業が少なくない。よって、産業天気図の見通しも前回の「晴れ」から「快晴」へ上方修正する。
 ソフト・サービス最大手の富士通<6702.東証>は、国内外でのアウトソーシングが好調などとして今07年3月期中間の業績予想を営業利益350億円と、従来より150億円上方修正している。通期は据え置く保守的姿勢ながら、業界では過去最高純益が今期達成圏内とみられている。また、安定した収益性で業界のベンチマーク企業とされる野村総合研究所<4307.東証>も通期で上方修正しているうえ、今後の活況を見込んで足元の課題も「リソースを今期の受注・開発に割き過ぎず、中期的に成長できるよう投入すること」(IR室)と定めている。
 業界ではメガバンクや通信キャリアからの旺盛な引き合いを背景に選別受注が広がっており、低採算案件では開発依頼先を探すのが困難という。業界は大手から中堅まで“左うちわ”の状況だ。ただ一方で、ここ数年の恒常的な課題である人手不足は悪化傾向にあり、各社の中期的成長を阻む要因となっている。また、サーバーなどハードは単価下落がきつく、ハード販売主体の企業は活況を享受できていないようだ。
【杉本りうこ記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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