事故物件の「オバケ調査」は業界の救世主になるか 一晩泊まり込んで部屋に異常がないかを調査

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賃貸住宅の場合、賃貸の管理を任された管理会社は、同業者がオーナーに接触することを嫌う。調査報告書を作成するには、オーナーと管理会社の双方の協力が必要なため、児玉さんはあえて宅地建物取引事業者になっていない。そうすることで、顧客を奪う目的ではないことがわかり、Win-Winの関係を築いている。

児玉さん自身は宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者といった不動産に関する資格を持っており、これまでのキャリアを活かして、事故物件の特殊清掃や改修方法が適切かなどの助言も行っている。

さらに、相続支援コンサルタント、遺品整理士、古物商(法人)などの資格・免許を取得し、事故物件の事後の遺品整理や遺族への対応、特殊清掃の相談なども受けられるようにしている。

オバケの有無を調べるために、どんな調査をする?

さて、オバケ調査である。どんな調査をして、異常の有無を報告するのだろう。

調査項目は、①映像録画(ビデオカメラ)、②音声録音(ICレコーダー)、③電磁波調査、④サーモグラフィ、➄風力調査、⑥室温湿度調査、⑦大気圧調査、⑧騒音調査の8項目だ。児玉さんが22時~翌朝6時まで8時間滞在して、機器を使って測定する。

調査に使う機材など
(画像:児玉さん提供)

イギリスでは「幽霊が出る」と伝わるお城が多く、証言された怪現象を科学的に解明しようという調査が行われている。児玉さんはそうした調査の情報を集め、それを基にしたうえで、これまで聞いた異常現象(湿度が高く気持ちが悪い、冷ややかな風を感じる、異常な音がする、人影が見えるなど)を物理的にどう調べたらよいかを物理の大学教授に相談。そのうえで、これら8項目の調査をすることにしたという。

オバケ調査の報告書の一部
オバケ調査の報告書の一部(調査は継続しているが、報告書のまとめには1時間ごとの数値を記載)(画像:児玉さん提供)

そして、調査して異常がなければ、証明書を発行する。

証明書のサンプル
「証明書」のサンプル(画像:「カチモード」のホームページより)
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