自分の仕事じゃない他人のフォローで疲弊する訳 余裕のなさとマネジメント不足が招く理不尽

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前者のタイプの人からすると、自分の感覚的にはありえないので、「あの人はサボっている。面倒なことを避けている」ように見えてしまうのです。

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後者のタイプの人からすれば、意図的にサボったり、わざと避けたりしているつもりはなく、自分自身が注意を向けるのが苦手と考えたこともないので、「なんで、そんなに責められるのかわからない」ということになってしまうわけです。

当然、両者のあいだには大きな溝が生まれます。

ちなみに、前者のタイプの人がさらに敏感になると、刺激にあれこれ反応しすぎて仕事に集中できないというデメリットにつながることもあります。

人はそれぞれ「今、どこに注意を向けているか」といったことはいちいち言葉にしないので、自分の注意の向け方を基準に相手を見てしまいますが、実はその力は人によって大きく違っているのです。

「仕組み」によって気づいてもらうしかない

ここでのポイントは「怒り」の感情です。

お客さんの案内や外線電話の対応といった業務負担はもちろん、相手に対しての「なんでやらないの⁉」というイライラが最もストレスになります。

こうした状況を改善するには、注意を向けるのが苦手な人でも気づける「仕組み」を工夫すること、それによって業務の均等化を図ることが必要です。

たとえば、上司と相談して次のようなことができれば、イライラはかなり解消されます。

■お客さんが来たら手もとのランプが光るようにして気づきやすくする
■外線電話の対応を当番制にして、電話に集中できるようにする
■職場のよく気がつく人を「指示係」として正式に任命してもらう

よく気がつくタイプの人が、注意を向けるのが苦手な人に対して、自分と同じように自然と気づいて対応してくれることを期待しても、まずうまくいきません。

佐藤 恵美 メンタルサポート&コンサル沖縄代表

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さとう えみ / Emi Satoh

メンタルサポート&コンサル沖縄代表、精神保健福祉士、公認心理師、キャリアコンサルタント、臨床発達心理士。20年間で1万人以上の相談実績がある、労働者メンタルヘルスの専門家。北里大学大学院医療系研究科産業精神保健学修了。医科学修士。日本産業精神保健学会理事。埼玉県内の精神科単科病院医療相談室、東京都内の医療法人社団弘冨会神田東クリニック副院長、同法人MPSセンター副センター長を経て、2020年に「メンタルサポート&コンサル沖縄」を設立。現在、沖縄在住。県内外の企業や官公庁に対して、さまざまなメンタルヘルスサービスを提供し、年間500人以上にカウンセリングを行なっている。著書に『もし部下が発達障害だったら』『「判断するのが怖い」あなたへ』(以上、ディスカヴァー携書)などがある。

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