自分の仕事じゃない他人のフォローで疲弊する訳 余裕のなさとマネジメント不足が招く理不尽

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「時間があれば、ちゃんと教えてあげたいんだけど、とてもそんな余裕は……」という言葉をよく耳にしますが、実はこの言葉の背景には、単に忙しくて時間がないということだけでなく、このような職場の構造上の問題があるのです。

この現状を「教えてもらう立場」になって考えてみると、じっくり教えてもらうことも順当な経験を積むこともなく、即戦力になることを期待されます。スキルや経験値と責任のバランスが悪くなってしまうのも当然です。

人が補充されても負担が減らない理由

丁寧に教えてもらえない。でも、目の前の業務はやらないといけない。そういう状況では、どうしても自己流で仕事をこなすしかありません。ときには、やっつけ仕事にならざるをえないこともあるでしょう。

メンバーが自己流で仕事をこなしていくうちに、それぞれの人の成長と自信につながっていく場合もあるので、こうした職場は、一見、自律的、効率的にうまくまわっているように見えます。

しかし、組織全体から見ると、業務がほかの人と重複していたり、逆に「それは自分の仕事ではないから、ほかのだれかがやるべき」とおたがいに押しつけあって業務に穴があいたりしていることが多いのです。穴があいていれば、当然、それに気づいた人がフォローしなければならなくなります。

名もなきフォローが必要な職場というのは、メンバー個々の能力やスキル不足から生まれると思われがちですが、実はこのように組織としての構造的な問題が根底にある場合も多いのです。

本来は、上司が雇用形態の違いもふまえて職場全体の流れを俯瞰しながら、場あたり的に人を投入するのではなく、メンバーの役割を明確にすること、そして重複や穴がないように調整することなど、つまり適正なマネジメントこそが必要です。

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