言えば言うほどミスが出る、中国の「政府報道官」受難の時代


当時の指導教官で、清華大学新聞伝播学院の史安斌副院長は、「報道官は、みな兼任。その後の昇進でも報道官時代の仕事はあまり評価対象にならない。きちんとやっているかどうかが重要ではない。官僚の世界は、話が多ければ失うものも多いといわれる。そのような慣習が報道官の発言を縛ってしまう」と話す。

中国のメディアや大衆は、言うべきときに何も言わない官僚や報道官は容認しているが、報道官の言葉にほんの少しでも間違いがあったら、まったく容認しない。王旭明氏は、「これはあまりにも不公平だ。制度や法律による保障があって初めて、報道官が安心して仕事ができるようになる。永遠にナンセンスな話をする報道官こそ批判の対象であり、昇進をさせてはいけないのではないか」と言う。

政府報道官は組織内の情報を全部知っているわけではない、とある報道官は本誌に語る。上の意思がよくわからない半面、下の情報も十分ではない環境で仕事をしている、とこぼす。その一方で、取材に来ている記者からは「情報公開が遅い」と批判される。

「透明性の高い情報を提供できないのであれば、報道官制度なんていらない」と、国家安全監督局の黄毅報道官は吐き捨てるように話す。
(『中国経済周刊』8月29日号/張璐晶記者[北京報道])

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