千里中央、北大阪急行延伸で「地盤沈下」進むのか 終着駅から中間駅になったニュータウンの中心

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もっとも、この状況下で奮闘している施設もある。北急の駅直上に位置する専門店街「せんちゅうパル」は、テナントの入れ替わりがあるものの現在も活気があり、再開発エリアの外にあった「よみうり文化センター」は複合商業施設「SENRITOよみうり」へと姿を変えた。

せんちゅうパル
5層構造の「せんちゅうパル」。2階部分で他施設やモノレールの駅とつながっている(撮影:伊原薫)

両施設は、北急の駅とその南側にある大阪モノレールの駅とを結ぶ直線上にあるが、大阪モノレールの利用者数はコロナ禍の影響を除けば増加傾向で、この付近のにぎわいは変わっていないように見える。

となれば、千里中央エリアで今求められているのは、箕面市が延伸区間の周辺でそうしたように、豊中市が主導して再開発計画を推し進めることではないだろうか。終着駅ではなくなったものの、モノレールで大阪国際空港(伊丹空港)へ直通できるという強みは不変だ。

再び脚光を浴びるには…

また、千里阪急ホテルの閉館でエリア内の宿泊施設は皆無となるが、周辺には空港だけでなく大学のキャンパスや万博公園などもあり、宿泊のニーズは少なくない。

コロナ禍や人口減少などによって民間事業者が慎重となっている今こそ、行政が強力にイニシアチブを取るべきであり、箕面萱野や万博公園の大型商業施設が活況を呈するなか、街が生き残るための最善策であろう。

筆者を含め、北摂エリアの住民にとって“せんちゅう”は買い物や遊び、デートなど、なんでもできる場所だった。10年後、新たな姿となった千里中央が、再び存在感を発揮していることを願う。

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伊原 薫 鉄道ライター

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いはら かおる / Kaoru Ihara

大阪府生まれ。京都大学交通政策研究ユニット・都市交通政策技術者。大阪在住の鉄道ライターとして、鉄道雑誌やWebなどで幅広く執筆するほか、講演やテレビ出演・監修なども行う。

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