千里中央、北大阪急行延伸で「地盤沈下」進むのか 終着駅から中間駅になったニュータウンの中心
話を戻そう。長らく千里中央の代表的施設として君臨した千里セルシーだが、建物の老朽化に加えて規制強化された耐震性能を満たしていないことから、2010年代後半に建て替え計画が持ち上がる。2018年の大阪府北部地震ではエレベーターが損傷するなどの被害を受け、テナントの撤退が加速。翌2019年に閉館し、最後まで残った店舗も2022年に撤退した。
建物の老朽化は、同時期に建てられた旧・千里大丸プラザと千里阪急も同様である。前者は2023年4月に営業を終了し、現在は解体もほぼ完了。後者は現在も営業を続ける一方、千里セルシーなどと一体での再開発に向けて検討が始まっている。さらに、東側に立つ千里阪急ホテルは2025年度末ごろの閉館が発表されており、エリア全体が大きく変わろうとしている。
建物が次々閉館、将来は?
ただし、その動きははかばかしくない。コロナ禍による消費の冷え込みも影響し、2023年度中に予定していた再開発事業の認可は延期された。地元の豊中市は、地域一帯の道路付け替えやバスターミナルの再編を含む交通広場の整備なども段階的に実施し、10年程度で事業を完了するとしているが、現時点で見通しは立っていない。
人々の流れが変わり、箕面萱野エリアの存在感が増すなか、商業施設の閉館が長引けば、千里中央エリアの“地盤沈下”は避けられないだろう。
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