画面の中の息子と孫の顔を見ながら、多良さんはゆっくりと晩酌をする。とくに会話が弾むわけではないが、「元気な様子を確認できればそれで安心」だという。
「スマートテレビやiPadなどIT機器は若い人のものと思っていましたが、使ってみたらとても便利でした。高齢者もできることが広がりますので、おすすめします」
多良さんに驚くのは、その見た目の若々しさもさることながら、躊躇なく新しいことを受け入れる気持ちの若さや毎日を楽しむ気力だ。
Earthおばあちゃん流「健康法」
89歳の今もなお、一人で暮らしていける“自信のもと”をたずねると、「やっぱり今のところ、健康だからですね」と言う。そのために自分流の健康法を実践している。
5時の起床から22時の就寝まで1日のスケジュールはほぼ決まっていて、三度の食事は朝食7時、昼食12時、夕食18時半と、毎日決まった時間に食べる。そうすることで生活にリズムがついて、気持ちもシャキッとする。
ただし、料理に手間はかけない。
「朝は自家製のスムージーにゆで卵とりんご半分が定番です。私なりに身体に良いと思う8種類の材料をミキサーにかけるだけ。お楽しみは昼食です。ごはんとおかず、副菜、汁物が並ぶ定食式が多く、肉や魚、卵などタンパク質、野菜、炭水化物をしっかり食べます。
夜は蕎麦猪口一杯の晩酌をするので、おつまみになるものを少し。大好きな豆腐や切っただけのちくわなどに、作り置きの野菜の副菜が1品つく程度。晩酌は日本酒の出番が多いですが、ウイスキーや焼酎も好き。食事というよりも一日の締めくくりの時間ですね」
毎朝6時に団地の広場で行うラジオ体操とウォーキングは、15年間続けている。
「でも何より運動になるのは、エレベーターがない団地の4階に自宅があることですね(笑)。毎日、1階から4階まで、最低でも2往復はしていますから」
午後は昼寝を1~2時間。それ以外に掃除、洗濯、朝食など朝の日課を終えた9時の休憩のときにも眠くなったら、ベッドで1時間くらい寝る。
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