妻への「別にいいけど」はケンカの火種でしかない 夏休みは「家庭内の不適切発言」を回避する機会

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とくに普段は妻が主体でやっている家事であれば、「やっておいたよ」と事後報告するよりも、「お皿は洗っておくね」など、事前にひと声かけるほうがいいでしょう。そうすれば妻も「グラスを先に洗ってほしい」など手順を指南できて、いらぬトラブルを招くのを回避できます。

家事にサプライズはいりません。喜ばせようと黙ってやるのは、基本的にお勧めしません。

「怒っている」と決めつけるのはNG

●妻がなぜか不機嫌なとき
妻:はあ〜〜(ため息)。
夫:あれ? なんで怒ってるの?

妻が不機嫌なのに思い当たる節がなくて戸惑う、というシーンは、誰でも思い当たることがあるのではと思います。怒っている雰囲気を醸し出しているときに「なんで怒ってるの?」と聞くと、さらに妻が不機嫌になってしまうのもよくあるパターンですよね。

夫からすると「わからないから聞いているのに……」という気持ちだと思いますが、怒っているときに「なんで怒ってるの?」と聞かれると、「そんなこともわからないの?」と妻も反発。あきらかに怒っているのに、「怒ってないけど」と返されることも。その理由の一つは、人は「ネガティブな決めつけを嫌うから」です。「怒っている」ことを決めつけているわけで「嫌なの?」「機嫌悪そうだね」なども同様です。

そして、怒りの性質にも関係があります。「怒り」とは「2次感情」と呼ばれるもので、怒りの奥底には寂しい、悲しいなどの「1次感情」が潜んでいます。妻が本当に寄り添ってほしいのは、その1次感情。それなのに表面にある怒りという2次感情だけ捉えられてしまうことで、さらに気分を害してしまうのです。

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「怒っている」と決めつけられて、さらにその理由を求められると、一層モヤモヤするわけです。

では、妻が怒っているのに、その理由が思い当たらないときはどうしたらいいのでしょうか? 理由がわからないのは本当なのですから、「言葉にして伝えてくれる? 言ってほしいな」と素直に伝えるのがいちばんだと思います。言葉にしないとわからないのは夫婦であっても同じこと。

ゆえに、言葉を通じてのやり取りは必須です。

しかし、その言葉の使い方次第では、関係性を悪くしてしまうことも往々にしてあるので、ちょっとしたコツを身につけて、楽しい夏休みにしてください。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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