「空間で読む新聞」日経が示した斬新なアイデア Vision Pro用『日経空間版』作者を直撃

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
猪飼大志氏、尾崎正和氏
プロダクトマネージャの猪飼大志氏(左)は「「日本でのVision Proの発売日にApp Storeに出したいと思って準備しました」と語った。隣は開発を支えた慶応義塾大学大学院生の尾崎正和氏(筆者撮影)

『日経空間版』ならではの機能を模索

昨年6月のWWDC(世界開発者会議)でVision Proが発表されてから、早いタイミングで日経空間版の開発が決まった。実機に触れない段階からシミュレータで開発を進め、去年の夏、開発者向けにVision Proの実機でテストを行えるデベロッパラボがスタートした時点で参加。実機でのテストも行った。

Apple Vision Proデベロッパラボ
https://developer.apple.com/jp/visionos/labs/

ちなみに、『日経空間版』の名称は、『日経電子版』というビッグブランドに呼応したもの。「新聞は紙で読むもの」と思っている人が多い時代に開発された『日経電子版』は多くの購読者を得て、今や同社の大きな収益源になっている。『日経空間版』も、そんな大きな存在になっていくことを想定したネーミングだ。

それにしても日経は、まだ決して大きなユーザーベースが見込めないVision Pro専用のアプリを、どういう意図で開発したのだろうか。

「最初は『まず試しに作ってみよう』ということで開発をスタートしました」と、猪飼氏。「すでにiPhoneやiPad用の日経電子版アプリはありましたし、バックエンドのサーバーも同じものが利用できます。なので、『どんな体験を作れるか?』という部分にフォーカスして開発しました」

次ページVision Pro用ならではの体験とは何か?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事